HubSpot Japanは2月8日、「日本の営業に関する意識・実態調査2021」を発表した。従業員規模51~500人の企業の「売り手」に当たる経営者・役員や法人営業組織の責任者、法人営業担当者各515人、「買い手」となる経営者や役員、会社員309人を対象に2020年12月3~6日に調査した。
売り手の営業担当者は「労働時間の約2割は無駄」と回答し、年間約6650億円の経済損失が発生。買い手の約4割は「リモート営業を提案されてもマイナスの印象は抱かない」ことが明らかになった。
(左から)HubSpot Japan 共同事業責任者 兼 シニアマーケティングディレクター 伊佐裕也氏、同社共同事業責任者 兼 セールスディレクター 伊田聡輔氏
HubSpot Japan 共同事業責任者 兼 シニアマーケティングディレクター 伊佐裕也氏は「訪問型営業とリモート営業を一律に論じることはできない。だが、現在は対面のコミュニケーションは難しいため、営業組織の参考になる情報を積極的に発信したい」と調査結果を発表した背景を説明した。
「社内会議」「社内報告業務」はムダ
冒頭で述べた「年間約6650億円の経済損失」は以下のように算出した。
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無駄の内容を具体的に問うと「社内会議(50.3%)」「社内報告業務(39.3%)」といった声が目立ち、自由記述回答欄には「会議のための会議」「似たような書類の複数入力」などの意見が寄せられた(複数回答)。また、顧客管理に関しても3社中1社(35.5%)が「明確ではない・分からない」と回答し、闇雲な営業活動が行われていることが露呈している。
この課題を解決するためにHubSpot Japanは顧客関係管理システム(CRM)を用いて情報の重複入力削減やレポート作成の自動化で無駄を省く情報管理を提言。「『HubSpot CRM』など専門的なソフトウェアを使用しない場合でも、顧客情報や営業活動の一元管理を行うことで、営業部門の生産性は大きく前進する」(伊佐氏)。調査からは、SaaS型CRMを導入している割合が21.9%と最多であることも分かった。