調査は2019年12月も実施している。1日の平均残業時間を比較すると、2.01時間(2019年)、1.76時間(2020年)と約15分の減少が見られた。また、買い手が好む営業スタイルは2019年12月時点で訪問型営業が53.7%、リモート営業が21%だったのに対して、2020年12月時点では訪問型営業は35%に低下し、リモート営業は38.5%と買い手の意識が大きく変化したことが確認できる。
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リモート営業にマイナスの印象を抱かない割合は約4割におよぶ38.8%、残る61.2%は「オンライン会議や電話での商談は不安(27.2%)」「オンライン会議などの事前セットアップが面倒(23.6%)」「できる限り自社を訪問して提案してほしい(16.2%)」といった声が寄せられた(複数回答)。
同じ質問を売り手に問うと、2019年時点で63.1%が訪問型営業、10.9%がリモート営業を好んでいたのに対して、2020年12月時点で訪問型営業は48%、リモート営業は21.8%と訪問型営業の根強さが残る結果となっている。その理由を問うと「訪問型営業の方が成約率が高いと思う(45%)」と回答。その理由として「訪問しないと誠意が見せられない(36.1%)」との回答を選択している。
だが、買い手に好ましい営業担当者の特長を問うと、「足を運び、対面で話してくれる(23.9%)」は10位にランクイン。上位に並んだのは「できないことを明確に伝えてくれる(47.9%)」「短時間で内容の濃い商談をしてくれる(41.4%)」「過去に伝えた情報を把握して打ち合わせに臨み、提案してくれる(34%)」と“誠意”ではなく“営業能力”が重視されていることが明確になった。
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さらにHubSpot Japanの調査によれば、リモート営業システムを導入する企業の商談成功率は42.2%に対して、非導入企業の成約率は39.1%と3ポイント差にとどまる(いずれも複数回答)。
このように売り手と買い手の間に生じた相違に対する解決策として伊佐氏は「買い手の現状に合わせた売り方を作る」ことを提案した。