自社の営業活動を棚卸しして、買い手の価値につながる活動を可視化するとともに、ノーコード開発ツールなどを用いた柔軟な顧客体験を調整できる仕組みの構築を一例として披露。さらに対面から顧客の意図を探る営業スタイルに対しても、伊佐氏は「相手の顧客意欲を各ステージに定義して、個人の感覚に依存しない営業担当者が取るべきアクションの明確化」が必要だと説明した。
コロナ禍で営業活動が難しい昨今だが、リモートワークやリモート営業の導入率は前者が54.4%、後者が36.4%にとどまる。導入済み企業に対して直近1年内の導入か問うと、リモートワークは77%、リモート営業は45%におよんでいる。
リモート営業導入前後の感情・状況変化を尋ねると、「訪問型営業が当たり前ではなくなった(74.2%)」「自社の業種はインサイドセールスが難しいと思っていたが、意外に可能だった(63.3%)」「ワークライフバランスが良くなった(61.7%)」と回答。商談の録音・分析による課題が明確化したかとの問いには、同意(42.9%)を否定(53.9%)が上回る結果に。
また、同僚や他部署との連携が向上したかとの問いも、同意(41.5%)が否定(56.8%)を上回っている。リモートワークに対する不満として、「社内コミュニケーションに時間が掛かる(45%)」「業務管理が難しい(38.9%)」「孤独感を覚える(17.6%)」が上位に来ている。
HubSpot Japanは企業が無線LAN強化やクラウド電話の活用、契約書の電子化など業務基盤の整備・支援に取り組む重要性を強調。また、定期的な1対1のミーティングやオンライン合宿、上層部を交えたオンライン会議の実施など組織の一体感を醸成する取り組みも必要だと説明した。以下は、今回の調査で明らかになったリモート営業の失敗話も披露された。
- 「自席でオンライン営業を行っている営業担当者の横で、隣席の同僚が大声で冗談を言った内容が相手に聞こえてしまった」経営者・役員(60代男性)
- 「投影画面にデスクトップが映り込み、他社名のフォルダーをクライアントに見せてしまった」営業担当者(20代女性)
- 「誤ってPCの電源をリモート営業中途中で落としてしまった」営業担当者(20代女性)
- 「両社役員クラスが出席するオンライン会議で、開始時刻になっても先方が接続せず、相手の秘書も在宅勤務中で連絡が取れずに肝を冷やした」営業担当者(40代男性)