日立ソリューションズは2月18日、同社のポイント管理ソリューション「PointInfinity」をデジタルマーケティングソリューションとしてリニューアルすると発表した。4月1日からクラウドサービスで提供される。新しいPointInfinityでは、デジタルマーケティングに必要な機能を一貫して提供することで、消費者のインサイトを捉え、エンゲージメントの向上を支援する。それに伴い2月18日、発表会が開催された。
デジタルマーケティングにおけるシステムはそれぞれ連携する必要があるが、これまでは「MA(マーケティングオートメーション)」「CMS(コンテンツ管理システム)」といったカテゴリーごとに製品が提供されていた。その結果、顧客企業は複数の製品を連携/運用しなければならず、デジタルマーケティングの障壁になっていたという。
そこで同社は、従来のPointInfinityを拡張し、デジタルマーケティングに必要な機能を一貫して提供する。具体的には、「会員ポータル」と「人工知能(AI)分析」の機能を追加した。
会員ポータルでは、おすすめの商品やお気に入り登録した店舗でのイベントなど、会員一人ひとりに合わせた情報を発信する。これにより会員の満足度を高めるとともに、店舗やEC(電子商取引)サイトへの送客を図る。また、企業の担当者とメッセージのやりとりができる機能なども搭載されている。
AI分析には、「パーソナライズレコメンド」「休眠アラート」「ダッシュボード」の機能がある。パーソナライズレコメンドでは、会員のランクや居住地、趣味嗜好(しこう)などに加え、AIによる分析で、おすすめの商品を割り出す。具体的には、購入履歴から商品の類似性を推測したり、購入の長期傾向と短期傾向の両方を加味したりしてレコメンドする(図1)。また、商品との出会いを増やす「シャッフル処理」を行い、同じ商品が何度もレコメンドされないようにする。
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休眠アラートでは、会員が休眠する兆しを捉え、適切なコミュニケーションを行うことで、もう一度アクティブ化してもらえるようにする。同機能では、「アクティブ群」「休眠予備群」「休眠群」に分類(図2)。完全に休眠してしまうとアクティブ化するのが難しいため、アクティブ群から休眠予備群になりそうな会員をリストアップし、期間限定のポイントを付与するなど、重点的なケアをする。その後、休眠することなくアクティブ化した割合を測定することで、効果を検証する。
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ダッシュボードには、「パーソナライズレコメンド画面」と「休眠アラート画面」がある。前者では、レコメンドした会員の数が多い商品のランキング、CTR(クリック率)/CVR(コンバージョンレート)といった会員反応の推移、売上金額のBI(ビジネスインテリジェンス)画面を表示する。後者では、休眠リスク別の会員数グラフを表示するとともに、休眠回避施策における対象者の選定と効果検証を行う(図3)。
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同ソリューションの対象は、これからデジタルマーケティングに取り組むBtoC(対消費者向け)企業、小売りや外食といったリアルサービス中心の業態からデジタルシフトを進める企業を想定している。
2020年度のPointInfinityの売り上げ見込み額は約80億円とし、リニューアル後は2025年度に約130億円を計画している。