三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、日立製作所(日立)の協力のもと、新しいCRM(顧客関係管理)システムとして「アドバイザリーポータルシステム」を導入した。両社が2月8日に発表した。
同システムには、セールスフォース・ドットコムの金融機関向けクラウドサービス「Salesforce Financial Services Cloud(FSC)」が採用されている。同サービスを採用するのは、国内の証券会社では初めてだという。
FSCでは、預けている資産の残高、他社資産の残高、運用目標/実績のほか、顧客本人だけでなく、家族全体の資産状況を反映させることが可能。これにより導入企業の担当者は、進学や不動産購入など、顧客の中長期的なライフプランに沿って資産運用をアドバイスできるようになる。
アドバイザリーポータルシステムの導入では、システム構築パートナーの日立が約50の関連システムと連携する既存のCRMシステムを生かしながらFSCと融合させたことで、システムの開発工程を大幅に圧縮し、短期間での構築を実現した。同システムでは、マルチチャネルへの対応や他システムとの連携をスムーズに行うことができ、顧客ニーズの変化に柔軟に対応することが可能だという。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、今後も営業活動における分析機能の搭載やAI(人工知能)との連携といったデジタルの活用により、顧客の多様なニーズに対応したアドバイザリー型ビジネスの強化に取り組んでいくとしている。