Googleが「Jetpack Compose」のベータ版をリリースした。Jetpack Composeは同社が開発する、Androidアプリ向けの新しいUIツールキットだ。
Jetpack Composeは2019年以降、オープンソースプロジェクトとして開発が進められてきた。今回のベータリリースは、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)が“Feature Complete”(機能の実装完了)の段階に達し、製品版アプリの開発に必要な機能を利用できるようになったことを意味する。しかし、APIにはまだバグが含まれている可能性があると警告する。
また、Jetpack Composeは安定したAPIセットであるため、Googleが一部のAPIを変更したり、削除したりすることはない。
「今はComposeに関する学習を始め、将来のプロジェクトや機能にどう使えるかを計画する絶好のタイミングだ。Composeのバージョン1.0は年内にリリース予定だ」と、GoogleのAndroid開発チームは述べる。
「今回のベータリリースではAPIをもれなく含めることに重点を置いたので、バージョン1.0以降の土台となる基本的なAPIはそろっている。今後はバージョン1.0のリリースに向けてAPIの安定性向上を図っていく。特にアプリのパフォーマンスとアクセシビリティーを重視する予定だ」とチームは述べる。
GoogleはJetpack Composeのベータ版に先立ち、Androidの次期バージョンとなる「Android 12」の開発者向けプレビューもリリースしている。
Googleは開発者にAndroid 12の開発者向けベータ版と合わせて、Jetpack Composeのベータ版をインストールすることを推奨している。Android 12の最初のパブリックベータは5月頃、安定版は8月頃にリリースされる予定だ。
Jetpack ComposeはGoogleが推奨するAndroidアプリ開発用のプログラミング言語「Kotlin」をベースに構築されている。これはJetpack ComposeがJavaとの相互運用が可能であり、全てのAndroidとJetpackのAPIに直接アクセスできることを意味する。
今回のべータリリースには、少ないコードでジェスチャーやアニメーション、スクローリングを実現するためのAPIアップデートが含まれる。
GoogleはJetpack Composeと並行して、Googleのプログラミング言語「Dart」で書かれたUIフレームワーク「Flutter」の開発も進めている。Jetpack Composeを使うと、開発者はAndroid Viewsの知識を使って、ウィジェットやその他のレイアウトを作成できる。
Jetpack ComposeはAndroid専用のUI開発ツールだが、GoogleはFlutterをAndroidだけでなく、ウェブやWindows 10向けのアプリ開発にも利用できるクロスプラットフォームのUIフレームワークとする予定だ。
GoogleのJetpack Compose開発チームは、少なくともAndroid Viewsと同等のパフォーマンスを目指しており、ローエンドのAndroidデバイス向けに最適化している。
Googleは多くのAndroidアプリ開発者にJetpack Composeを利用してもらうため、無料のチュートリアルや新しいドキュメントを提供している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。