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新潮流Device as a Serviceの世界

なぜ、サブスクか?--「モノを買って与えたら終わり」ではないということ

松尾太輔 (横河レンタ・リース)

2021-03-03 06:30

 本連載で、最も重要なキーワードと言っても過言ではない「アップデート」。“As a Service”においてアップデートが重要であり、なくてはならない存在であると、折に触れて解説してきました。だからこそ、サブスクリプションという契約形態が最適なのです。もし、サブスクリプションにAs a Serviceとしてのアップデートという要素がなくなればどうなるでしょうか。リリースされたその日からすごいスピードで進む陳腐化が当たり前のIT世界では、月額で費用を払い続ければ続けるほど価値と価格が合わなくなってしまいます。

 さて、今回はこの重要なキーワードである「アップデート」にまつわるお話です。これを選んだのは、新型コロナウイルス感染症対策として厚生労働省が提供している接触確認アプリ「COCOA」で不具合が何カ月も対処されずにいたというニュースを耳にしたからです。

 もちろん、「バグを出したことがけしからん」などと毛頭言うつもりはありません。バグは、バグで仕方がなく、出るものです。それはそれでいいのですが、何を驚いたのかといえば、この問題についての記者会見で、「これまではお金を出して終わりだったが、これ(アプリ)は常に関与し続けないといけない。永久に完成しないものに国は今まで付き合ったことがない」と、アプリのアップデートという“発注”に国が不慣れだったという事実が分かったことです。

 日進月歩のITの世界において、開発されたソフトウェアを“氷漬け”や“塩漬け”で長く使い続けたがるのは、もう日本くらいです。グローバルでは、常に最新の技術を活用して、自分たちの生産性を高めようとしています。そもそもセキュリティの点で、サイバー攻撃が高度になり日々新しい脅威が生まれている中、修正もされない全く同じ状態のまま使い続けることほどリスキーなことはありません。

 私は、iOSもAndroidも、WaaS(Windows as a Service)となったWindows 10も完成というものはないと認識しています。ITの世界では、これらが完成しない以上、その上で動くアプリも完成という段階を迎えることはできないという風に考えるのが半ば常識ですが、今やっとこの認識に政府が追い付いてきました。

 このニュースを聞いたとき、昨年(2020年)からずっと気がかりだったことをあらためて思い出しました。

 実は、小中学校へのIT機器の導入政策である「GIGAスクール構想」において、レンタルPCの採用が事実上推奨されていません。レンタルやリースはOKではあるものの、FAQ(PDF)に「リース方式の場合、端末本体に付して保守契約等で高いリース料の設定になっている場合(例えば、自損の無償交換を含む場合や過度な即時対応を求める場合が考えられます)は、他の自治体の状況も調査し、持続性の観点からも慎重な検討が必要です」とあります。はっきりではありませんが、レンタルやリースを避けるように促しています。

 一括購入に比べて、お金がかかり続けるということを嫌ったのでしょうか……。そもそも「モノを買って与えたら終わり」という感覚は、本質的にCOCOAの件と似たものが根底にあるように思えてなりません。

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