時に“内勤営業”とも呼ばれる「インサイドセールス」は、コロナ禍で対面営業が困難な現在、重要な役割を持つ。名刺管理サービス「Sansan」を開発、提供するSansanは、2011年からインサイドセールスに着手。2017年に単独部門として独立させ、現在は60人を超える社員が所属する組織に成長させた。
Sansanのインサイドセールス部門であるセールスディベロップメント(SD)部は従業員規模1~50人の企業を担当する「SDR1」、従業員規模51~1000人の企業を担当する「SDR2」、従業員規模1000人以上の企業を担当する「ADR」、西日本の企業を担当する「RDR」、そして部門横断型の戦略立案やオペレーション構築を担う「SD企画」の5グループで構成される。
同社 Sansan事業部 セールスディベロップメント部 副部長 兼 西日本営業部 副部長 一方井辰典(いっかたい・たつのり)氏は、同社が3月8~12日に開催したオンラインイベント「Sansan Evolution Week 2021 Spring」に登壇。「インサイドセールスの価値を高めるデータ活用とは」と題して講演した。
Sansan Sansan事業部 セールスディベロップメント部 副部長 兼 西日本営業部 副部長 一方井辰典氏
案件化率は80%以上
「本業以外の組織課題にメンバーが主体的に取り組む」(一方井氏)ことでインサイドセールス部門の維持に取り組んできたという。事務局下に採用や広報、教育、IT活用といった課題に対して、「メンバー目線での声を多く発信している」(一方井氏)
一般的にインサイドセールス部門は商談や受注、面会の予約などを担う役割だが、コロナ禍によって大型イベント開催の見送りや営業活動自体を見直した企業も少なくないだろう。
同様の状況下にあったSansanは「オンラインにシフトしたリード環境に変化する必要がある」(一方井氏)との判断から、「われわれは(顧客、情報、部門という)3つのつながりからSansanを進化させる非連続な成長をリードしていく」とセールスディベロップメント部が担う任務を再定義。その上でデータベースの強化に取り組んだ。
「インサイドセールスに求められるのは、お客さまの状態や需要のタイミングをくみ取り、最適化したアプローチを行う」(一方井氏)ため、オンライン化の進んだ営業やマーケティング活動を踏まえて、コロナ禍にあった、この1年、認知段階からの働きかけを進めた。
具体的にはマーケティングデータを引き金として、意図的に顧客の興味や感心などのストーリーラインをつなげたアプローチで顧客育成に取り組んだ結果、顧客からの商談の機会を得た後の案件化率は80%以上と説明する。
※クリックすると拡大画像が見られます