案件化率は80%以上--「インサイドセールス」の任務を再定義したSansanの本筋 - (page 2)

阿久津良和

2021-03-10 06:45

顧客の状態を網羅的に可視化

 現在、同社は帝国データバンクのデータベースサービスやユーザベースの「SPEEDA(スピーダ)」、人脈管理は自社サービス、リード管理は「Marketo(マルケト)」、商談管理は「Salesforce」、業務フロー支援は「Creative Survey」やチャットボット、分析・点数化は「DataRobot」、IP電話は「MiiTel(ミーテル)」、オンライン商談は「Zoom」「Cisco Webex」「Google Workspace」「bellFace」と多岐にわたるサービスを活用している。

Sansan Sansan事業部 セールスディベロップメント部 SD企画グループマネジャー 兼 事業企画部CRM企画グループ 西万葵奈氏
Sansan Sansan事業部 セールスディベロップメント部 SD企画グループマネジャー 兼 事業企画部CRM企画グループ 西万葵奈氏

 一見するとツールを活用するのではなく、ツールに振り回されてしまいそうだ。

 その点についてSansan事業部 セールスディベロップメント部 SD企画グループマネジャー 兼 事業企画部CRM企画グループ 西万葵奈(にし・まきな)氏によると、当初は「(西氏が異動した頃は)セールステックを使える人材もおらず、部門を超えたコミュニケーションもスピード不足」といった課題を抱えていた。

 そこでSalesforceで情報を一元化するデータベース構築に着手し、顧客情報管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)、ビジネスインテリジェンス(BI)などのツールを扱える人材を部門内に抱える組織作りに着手した結果、顧客情報の管理と事業部横断型のシームレスな顧客体験の構築に成功したと説明する。

 過去の商談や展示会、フォームやリスト、オンラインセミナーから得たデータを一度MAツールに収集し、Sansanのデータ統合機能である「Sansan Data Hub」に集約。さらにSansanの面会やメールを記録する「コンタクト」機能を用いた接点履歴やマーケティング施策に対する顧客活動を可視化し、顧客に対する施策シナリオをマーケティング部門、インサイドセールス部門、営業部門による顧客体験の統一を図った。

 また、SD企画が作成したアンケートにインサイドセールス部門がヒアリング内容を記録し、Salesforce上のデータベースに反映させる取り組みも進めている。西氏は「お客さまに関する情報を網羅的、かつ運用コストを抑制して使えるデータベースを長期的に作り上げることを実現させたい」と顧客の状態を網羅的に可視化するデータベース構築の展望を語った。

Sansanのデータベース構造 Sansanのデータベース構造
※クリックすると拡大画像が見られます

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]