顧客の状態を網羅的に可視化
現在、同社は帝国データバンクのデータベースサービスやユーザベースの「SPEEDA(スピーダ)」、人脈管理は自社サービス、リード管理は「Marketo(マルケト)」、商談管理は「Salesforce」、業務フロー支援は「Creative Survey」やチャットボット、分析・点数化は「DataRobot」、IP電話は「MiiTel(ミーテル)」、オンライン商談は「Zoom」「Cisco Webex」「Google Workspace」「bellFace」と多岐にわたるサービスを活用している。
Sansan Sansan事業部 セールスディベロップメント部 SD企画グループマネジャー 兼 事業企画部CRM企画グループ 西万葵奈氏
一見するとツールを活用するのではなく、ツールに振り回されてしまいそうだ。
その点についてSansan事業部 セールスディベロップメント部 SD企画グループマネジャー 兼 事業企画部CRM企画グループ 西万葵奈(にし・まきな)氏によると、当初は「(西氏が異動した頃は)セールステックを使える人材もおらず、部門を超えたコミュニケーションもスピード不足」といった課題を抱えていた。
そこでSalesforceで情報を一元化するデータベース構築に着手し、顧客情報管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)、ビジネスインテリジェンス(BI)などのツールを扱える人材を部門内に抱える組織作りに着手した結果、顧客情報の管理と事業部横断型のシームレスな顧客体験の構築に成功したと説明する。
過去の商談や展示会、フォームやリスト、オンラインセミナーから得たデータを一度MAツールに収集し、Sansanのデータ統合機能である「Sansan Data Hub」に集約。さらにSansanの面会やメールを記録する「コンタクト」機能を用いた接点履歴やマーケティング施策に対する顧客活動を可視化し、顧客に対する施策シナリオをマーケティング部門、インサイドセールス部門、営業部門による顧客体験の統一を図った。
また、SD企画が作成したアンケートにインサイドセールス部門がヒアリング内容を記録し、Salesforce上のデータベースに反映させる取り組みも進めている。西氏は「お客さまに関する情報を網羅的、かつ運用コストを抑制して使えるデータベースを長期的に作り上げることを実現させたい」と顧客の状態を網羅的に可視化するデータベース構築の展望を語った。
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