Blue Prismは3月11日、新戦略発表会を開催した。発表会に登壇した社長の長谷太志氏は、RPAが業務改善にとどまる点を課題だとし、企業が活用するための統合管理やAIを推進していくとした。
Blue Prism 社長の長谷太志氏
2020年の同社の業績は、売上高が前年比67%増、顧客数が60%増となった。この成長率は、グローバル全体で最も高いという。その要因として長谷氏は、コロナ禍におけるDX(デジタル変革)の加速や、インテリジェントオートメーション基盤「Blue Prism Cloud」の提供、パートナー企業との協力体制などを挙げる。同社サービスの契約更新率は98%で、他社サービスからの乗り換えや併用は40%に上るという。
Blue Prismでは、「あらゆる組織にデジタルワーカーを」というビジョンを掲げている。「デジタルワーカー」とは、同社がNTTコミュニケーションズと共同で提供しているプラットフォームサービス。同サービスは、PCで行う単純作業を自動化するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)の機能を基に、画像から情報を抽出する認知機能や人工知能(AI)による文章理解、チャットボットなどの機能を有している。その結果、高度で複雑な業務を自動で行うことが可能になるという。
日本では、生産年齢人口の減少のほか、「2025年の崖」と言われるように、既存のITシステムの老朽化や複雑化が懸念されている。加えて、コロナ禍でリモートワークや非接触が求められる中、素早いビジネスプロセスの立ち上げが求められている。こうした中、長谷氏は「人とシステムだけに頼るのではなく、デジタルワーカーをうまく活用する世の中を作りたい」と語った。