「オフコンなんて使っていちゃだめですよ。早くオープン化しないと!」
デジタルトランスフォーメーション(DX)ブームを背景に、このような文言が巷にあふれている。しかし、そもそもオープンシステムとは何で、何が目的となるのだろうか?
前回は、「インフラとしての『IBM i』はオープン化されていること」や、「IBM iに残ったレガシーの正体」を明確化した。「長年使い続けたアプリケーション」と「長年変わらない維持メンテナンス方法」が、オープン化した方が良いレガシーの正体であると理解いただけたと思う。
今回は、その「オープン化」に焦点をあて、そもそもの意味や意義の整理とともにDX時代のオープン化の形を、ITにあまり馴染みのない方でも理解できるよう、例を挙げながらわかりやすく説明する。
オープンシステムって何?
コピーやプリンター用紙のサイズで「A4」「B3」という用語は読者の方も良くご存知の規格と思う。このおかげでコピー機やプリンターのメーカーが違っても同じサイズ用紙が利用できることは一般的である。
一方で、コピー機やプリンターのトナーやインクに関しては、カートリッジの形や取り付け方法などがメーカーごとに違う。つまり、前者はオープンな仕組みであり、後者はクローズな仕組みである。
コンピューターの仕組みにおいても、同様の仕訳ができる。公開(オープン)されている仕様に準拠したソフトウェアやハードウェアであるかどうか? また、異なるメーカーの製品を組み合せて利用できるかどうか? などで仕分けられる。ここでの着目点は、コピー機やプリンター、そしてコンピューターにもオープンな仕組みとクローズな仕組みが同居していることである。オープンであることは、きれいにクローズとの境があるわけではなく、「度合」であるということが挙げられる。
前回の記事にあるように、IBM iやその稼働環境である「Power Systems」に当てはめると、前身となる「AS/400」からオープンシステムの度合を濃くしてきたことが良く理解できるだろう。
ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)
関連ホワイトペーパー
- 先進的な取り組みを行っている組織はイノベーションとレジリエンスの両立が可能--その道のりを解説
- 効率的な運用に欠かせないAIと機械学習を活用した「AIOps」--組織にもたらすメリット5つを解説
- 現代におけるインフラストラクチャの監視や拡張で効果的なフレームワークを解説
- ITインフラストラクチャの性質は劇的に変化--AWS時代の監視のあり方を解説
- エンタープライズDevOpsを支えるモニタリング基盤--効率的な運用を実現する11の要件とは
- 数千社対象のセキュリティ調査が示す7つのファクト--標的上位はPHP、リスク高はJavaアプリ
- 人気カテゴリ
- 経営
- セキュリティ
- クラウドコンピューティング
- 仮想化
- ビジネスアプリケーション
- モバイル
特集
- トランスフォーメーションの破壊者:インテントAI
- 「GIGAスクール構想」で進化する教育現場
- デジタル岡目八目
- トップインタビュー
- 技術者視点で見るメインフレームの進化と深化
- 松岡功の「今週の明言」
- さまざまなLinuxディストリビューションの世界
- 松岡功の一言もの申す
- デジタルジャーニーの歩き方
- 「働く」を変える、HRテックの今
- 流通テック最前線
- PDF Report at ZDNET Japan
- DXで直面するカベを突破せよ
- 中国ビジネス四方山話
- ビジネス視点で分かるサイバーのリスクとセキュリティ
- 持続可能な地域社会を目指す「地域DX」
- カーボンニュートラル(脱炭素)
- ICT来し方行く末
- Ziddyちゃんの「私を社食に連れてって」
- 対応必須化の波が到来したSBOM動向
- Linuxノウハウ
- 企業セキュリティの歩き方
- サプライチェーン管理高度化のススメ
- CIO・情シス部長が知っておきたい「データクラウド」の基本と構造
- 製造業のサイバーセキュリティ・進化する脅威と対策方法
- 世界のICTが集まるアイルランド
- 新潮流Device as a Serviceの世界
- ラズパイをより身近に
- プロダクトの力でビジネスを推進する
- 「責任あるAI」--AIに倫理感を持たせるには