Microsoftは米国時間6月8日、「Outlook」の「iOS」版で音声機能を強化したと発表した。ハイブリッドワーク時代に即したソフトウェアに向けた取り組みの一環として、モバイル版Microsoft Outlookアプリをより使いやすくすることを目的としている。新たに「Cortana」を活用した音声機能を搭載する。
Cortanaは「Windows 10」の目玉機能ではないものの、バックグラウンドで活躍しており、「iOS」や「Android」といったプラットフォームを横断して動作する「Microsoft 365」サービスでも活用されている。
そして今回、「iPhone」や「iPad」のOutlookで、Cortanaの音声認識機能を通じて、ミーティングのスケジューリングのほか、電子メールの検索などのタスクを実行できるようになった。読み上げられた音声からメールを新規作成、返信することも可能だ。
ユーザーはiOS版の(そして近いうちにAndroid版の)Outlookで、Googleのアプリで表示されるものとよく似たプラス記号のアイコンを長押しし、「Use Voice」(音声を使用)と表示されたマイクアイコンをタップすることで、Cortanaに対してOutlook内で実行するタスクを指示できるようになる。
Microsoftは「Windows」や「macOS」、ウェブ、iOS、Android向けのOutlookを統合しようとしているようだ。モバイル版のOutlookアプリは、数年前に買収したAcompliのテクノロジーがベースとなっている。
Cortanaの人工知能(AI)を利用し、ユーザーが望んでいるファイルを検索したり、連絡先とつながったり、カレンダーのスケジュールを管理するといった作業を支援する。例えば、「次の『Teams』ミーティングはいつ?」といった質問を投げかけられるようになる。
Microsoftは独自のモバイルOSを有していないかもしれないが、Outlookの電子メールやカレンダー機能とCortanaを組み合わせたこのような機能によって、「Windows Phone」がなくてもやっていけるということを示しているようだ。
Microsoft 365担当コーポレートバイスプレジデントのJared Spataro氏は、「音声を使った場合のスピードと容易さによって、組織外の人々と連携する場合でも、より複雑なプロジェクトを拡大できるようになる」と述べた。Cortanaは「Microsoft Graph」による洞察を活用して、ユーザーがどのように作業し、誰と一緒に働いているかを認識する。
例えば、同氏は、「第1四半期の予算に関する、Jillと彼女のチームを交えたミーティングを来週月曜日に準備して」と指示できるようになり、その後で「Jacobも追加して」と言えば、Cortanaは同僚を適切に認識し、ミーティングの招待状を作成してくれると説明した。
Microsoftは「Office」製品のディクテーション機能をiOSでも利用可能にした。ユーザーは電子メールへの返信や、新規メールの作成で音声を利用できるようになる。同社は、「ディクテーション機能によって、マイクアイコンをクリックするだけで、音声のテキスト起こし機能や、簡単な音声コマンド機能を用いてOffice文書の内容を作成できるようになる」と説明している。またOutlookは、Microsoft Graphを活用し、同僚の名前を認識するという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。