Asana、コロナ禍の分散した仕事環境を支援する機能強化

藤本和彦 (編集部)

2021-06-17 12:00

 Asana Japanは6月17日、ワークマネジメントプラットフォームの機能強化と新たなパートナー施策を発表した。

 企業全体の進行状況を可視化する「プロジェクト横断レポート」がリリースされた。Asanaでは、「ワークグラフ」と呼ばれるデータモデルに基づいてプロジェクトが管理されており、プロジェクト横断レポートは、チームのアクティビティーやワークロード、予算などの情報をリアルタイムに可視化する。

 同社が1月に発表した年次レポート「仕事の解剖学」によると、新型コロナウイルス感染症の拡大によって在宅勤務などが世界的に広がる中、上級管理職や経営陣は情報検索や報告会議など、「仕事のための仕事」に58%の時間を費やしている。従業員数5000人以上の大企業では、毎週63%の時間がこのような仕事に費やされているという。

 プロジェクト横断レポートは、Asanaのダッシュボード機能を組み合わせ、プロジェクト、チーム、部門を横断したレポートを作成できる。チャートテンプレートとチャートビルダーが用意され、Asanaのタスクと連携しているため目標の進行状況がチームの活動に合わせて自動的に更新される。

 チーム全体でタスクの進行状況を共有したり、最新の情報に基づいて意思決定を行ったりすることができる。リスクのあるタスクがあれば、元のデータにアクセスしてプロジェクトやタスクを確認し、必要に応じてアクションを起こすことが可能になっている。Premium、Business、Enterpriseの各プランで利用可能。

 新たなパートナー施策では、ServiceNowとVimeoの連携が発表された。

 ServiceNowとの連携では、AsanaとServiceNowの間で連結したワークフローを作成することができるようになる。例えば、IT部門がServiceNowでパフォーマンスの問題をログに記録すると、それをきっかけとして顧客対応チームのタスクがAsanaで自動的に作成されるワークフローを作成できるという。

 仕事の解剖学では、ナレッジワーカーの3分の1以上が、アプリを切り替えるときにアクションとメッセージを見落としてしまうと回答。分散した仕事環境では、部門を横断したコラボテーションとタスクの可視性を高めるシームレスなワークフローの構築が重要になっているとする。

 Vimeoとのパートナーシップにより、非同期型のビデオメッセージング機能がAsanaに追加された。ユーザーはAsana上でビデオを直接録画でき、ミーティングを増やさずに熱量の高いコミュニケーションを実現できるとする。録画されたデータから自動で文字起こしされ、ワークグラフにひも付けられて検索と共有が可能になっている。ビデオメッセージング機能は、数週間以内に全てのユーザーに提供される。

 直近では、その他にも「マイタスク」機能の強化、「DO NOT DISTURB」機能の追加、「CLOCKWISE」との連携、デスクトップアプリのリリースがある。

 マイタスクは、個人のToDoリストとチームの仕事や会社の目標を組み合わせた個人用の優先度設定システムになる。ルールの自動化により、期日に基づいてタスクを整理したり、タスクの増減を知らせることができる。

 DO NOT DISTURBは、集中しているときは最も関連性の高い通知だけを受け取り、気が散らないようにする通知の制御機能。CLOCKWISEは、スケジュールを自動的に最適化し、タスクを完了するための時間を確保するツール。Asanaとの連携により、Googleカレンダーに邪魔されずに仕事に取り組めるまとまった時間のブロックを作り、気が散る時間を減らして生産性を高める。

 AsanaのデスクトップアプリはmacOS版とWindows版が利用可能。仕事の邪魔をするノイズを遮断して作業に集中できるように設計されており、ウェブ版の機能が全て提供される。

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