本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、クアルトリクスが提供する企業の従業員の採用プロセスを管理するクラウドサービス「Qualtrics Candidate Experience(クアルトリクス 候補者エクスペリエンス)」を取り上げる。
求人から応募、面接、内定までの候補者体験を向上
クアルトリクスは先頃、求人から応募、面接、内定までの候補者体験を向上させることで効果的に優秀な人材を獲得することができるクラウドサービス「Qualtrics Candidate Experienceを提供開始すると発表した。
新サービスは、同社が提供する従業員エクスペリエンス管理サービス「Qualtrics EmployeeXM」(XM:エクスペリエンスマネジメント)の機能強化として、企業が採用活動の際に、候補者に対してより良い体験を提供することを可能にする。(図1)
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新サービスは、人材募集から書類選考、面接、内定、入社までの人材採用過程で、採用候補者がどのような体験をしているのかを把握することが可能だ。採用プロセス全体を通じて自動的にフィードバックを求める機能を搭載。このため、人事担当者は採用の結果にかかわらず、全ての候補者のセンチメント(感情)を理解し、体験を向上させるためのアクションにつなげることができる。
採用担当チームは、クアルトリクスが提供するエクスペリエンスデータ(採用、雇用プロセスについての候補者からのフィードバック)と、自社が利用する候補者トラッキングシステムにある業務データ(採用率、辞退率、採用までの期間など)を組み合わせることで、人材募集のパイプライン、採用効率とクオリティ、人材の定着率を継続的に向上させることが可能となる。
PwCの調査によると 、採用プロセスでの悪い経験に基づいて内定を辞退したと答えた求職者は、全体の49%にも及ぶ。このため、優秀な人材を獲得するには、採用の段階からより良い体験を提供することが必要不可欠であるといえる。
以上が発表の概要だが、今回このサービスを取り上げたのは、人事分野で従業員管理はかねてさまざまな取り組みが行われているが、採用の領域でITやデジタルを生かすことはホットな動きであり、まだまだ進化する余地があると考えるからだ。