栃木県、保険事業支援を開始--日立の医療ビッグデータ分析技術を活用

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2021-07-05 07:00

 栃木県と栃木県国民健康保険団体連合会(栃木県国保連)は、日立製作所(日立)が提供する人工知能(AI)を用いた保健事業支援サービスの利用を開始した。6月から、糖尿病の重症化予防に向けて本格運用している。日立が発表した。

 同サービスは日立の医療ビッグデータ分析技術/ノウハウを活用して、過去8年分の匿名化された医科/調剤レセプトや健診のデータを基に、糖尿病の重症化予測に特化した同県独自の予測モデルによって構築された。

AIを活用した保健事業支援サービスと利用イメージ(出典:日立)
AIを活用した保健事業支援サービスと利用イメージ(出典:日立)

 この予測モデルを活用することで、空腹時血糖をはじめとした血液検査数値や過去の病歴など健康状態に関わる項目と糖尿病重症化リスクを結び付け、先の5年間において糖尿病が現状から重症化し、受診や入院が必要になる確率を算出することができる。また同サービスでは、被保険者単位で糖尿病既住歴の有無などから将来の発症リスクを3段階で判定し、合併症の発症や人工透析が必要となる確率を予測/可視化することが可能だという。

 同県では、糖尿病患者数が約5万5千人と全国平均を上回っており、年々増加している。県独自の予防プログラム「栃木県糖尿病重症化予防プログラム」では、県民のレセプトや健診データを用いた保健指導対象者の抽出、保険者と医療機関が連携した保健指導といった効率的な糖尿病重症化予防施策を進め、2018年度にはプログラムの基準に基づく対象者を抽出する独自の仕組みを構築した。一方、保健指導対象者が多いことから、保険者が緊急に対応すべき指導対象者の選定に苦慮し、より効率的かつ効果的な仕組みが求められていたという。

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