米上院は米国時間7月12日、米国土安全保障省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)の新しい長官としてJen Easterly氏が就任することを全会一致で承認した。CISAは2018年に創設され、米国のサイバーセキュリティと通信インフラストラクチャーのセキュリティ、レジリエンス、信頼性の確保などの役割を担っている。
初代長官のChris Krebs氏は2020年11月、大統領選の不正を否定したとして、当時のDonald Trump大統領に解任された。その後、CISAの正式な長官は不在となっていた。Brandon Wales氏が長官代行となり、「SolarWinds」製品のハッキングなど、国家が関与するとみられる攻撃で政府機関が狙われる問題が多発する中、CISAの正式な長官の不在が続いていた。
Easterly氏は企業と軍隊での経歴を持つ。直近では、Morgan Stanleyでレジリエンスなどを担当する責任者を務めていた。Biden-Harris政権移行チームでサイバーポリシーリードを務めた実績もある。
Barack Obama政権時代には、ホワイトハウスで大統領特別補佐官兼テロ対策担当シニアディレクターとして働いたほか、国家安全保障局(NSA)でテロ対策担当副官を務めた経歴を持つ。米陸軍では、20年以上にわたって諜報活動とサイバー作戦に従事していた。また、米国サイバー軍の設計と創設でも役割を果たした。ブロンズスターメダルを2回授与されている。
Joe Biden大統領は4月、CISAの長官としてEasterly氏を指名し、上院の民主党議員は6月下旬に承認しようとした。しかし、フロリダ州選出の共和党上院議員Rick Scott氏は、Kamala Harris副大統領が米国とメキシコの国境を訪問するまで、上院による承認の投票を一時的に保留するとしていた。Harris副大統領はその後、国境を訪問した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。