AWS、ヘルスケア業界向け「Amazon HealthLake」を一般提供--まず米の一部リージョンで

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-16 10:48

 Amazon Web Services(AWS)は米国時間7月15日、医療機関によるクラウドベースのヘルスデータの保管や利用を可能にする「Amazon HealthLake」サービスの一般提供(GA)を米国の一部リージョンで開始したと発表した。このサービスはクラウド大手のAWSにとって、ヘルスケアやバイオ医薬、ゲノム関連の分野の顧客向けに特化したクラウドサービスを提供するヘルスイニシアチブの一環となっている。

 HealthLakeは、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠したサービスだ。構造化されていないヘルスデータを活用する組織を支援する。「Fast Healthcare Interoperability Resources」(FHIR)という業界標準を採用し、データの形式を整えて、オンプレミスのシステムからセキュアなクラウドベースのデータレイクへとデータを移行できるようになっている。HealthLakeは機械学習(ML)機能を用いて医療用語や臨床データを分析し、データに対して標準化されたラベルを付与することで検索や分析を容易にする。また、HealthLakeは患者の診察などのイベントをタイムラインにインデックス化し、医療従事者に各患者の病歴などを総合的に確認できる時系列のビューを提供する。これらすべてを実現し、AWSの顧客はアナリティクス機能やML機能を用いて、新たに構造化されたデータを分析できるようになる。

 このサービスは12月に開催された「Amazon's re:Invent」で発表された。AWSの人工知能(AI)担当バイスプレジデントMatt Wood氏は、ヘルス分野の取り組みではさまざまなフォーマットのデータが多数のリポジトリーに分散していることが障害となっており、データの準備やステージング、加工に何週間、あるいは何カ月もかかっていると説明していた。

 これまでに、ラッシュ大学医療センターなどがHealthLakeを利用し、新型コロナウイルス対応に役立てている。自閉症のほか、脳関連の疾患を持つ子どもにヘルスケアサービスを提供しているCorticaは、患者の治療の進行に関するより深い洞察を得る上で、HealthLakeを利用している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]