今回のパンデミックで、IT担当者は所属する組織に対して自身の価値を十二分に発揮しました。
SolarWindsがIT専門家を対象に調査した「IT Pro Day 2020」では、ビジネスがますます依存するハイブリッドインフラストラクチャとアプリケーションを担う第一人者として、40%以上のIT担当者が、トップレベルの会議に参加する機会が増えると考えています。また、46%が自分のアイデアが経営陣に評価されるようになると感じ、58%が将来的に今回のような大混乱が生じても会社を導く準備ができていると感じています。
IT担当者は、組織内でますます重要な役割を果たしています。しかし、彼らは何を最優先しているのでしょうか。
IDC Japanが発表したレポート「2021年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」では、自社のITインフラストラクチャが最新のテクノロジーやサービスを継続的に提供できる能力を備えていると考える企業は、わずか20%であることが判明しました。また、回答者の70%以上が、組織内のITインフラストラクチャが「不十分/不適切」であると答えています。
そして現在のITインフラストラクチャに関する投資の優先順位は「クラウド、ネットワーク、データセンター向けの統合管理システムの構築」、次に「運用管理の自動化を通じた生産性の向上とITリソースの効率化」となっています。このレポートでは、今後2年以内に新たに注目される取り組みのトップは「業務用アプリケーションの埋め込み型人工知能(AI)の活用」であることも示されています。
IT担当者がさらに大きな価値を発揮し、組織内で不可欠な専門家として地位を確立する機会もやってきます。ここでは、IT担当者が今後も勝ち続けるために、さまざまな優先事項をうまく調整する際に意識しておくべきことを考察します。
IT担当者が推進力を維持するには
世界中の企業は、損失を取り戻し、顧客を回復するために復旧モードに移行しています。そして、その大半の企業が、パンデミック後の目標達成に向けてデジタル技術の活用に取り組み始めています。AIと自動化は、大幅に削減された労働力を支援するために導入が進むと考えられます。一方、消費者の間ではキャッシュレス決済への関心が高まっており、企業はデジタル取引を機能させるために必要な技術スタックの導入に躍起になっています。
IT担当者は、変化する状況に対応しなければなりません。IT担当者には、回復途上にある大半の企業とそこで働く従業員の先行きが不安定になった時に、デジタルへの移行と投資が賢明かつ戦略的に行われるようにする責任があります。
IT担当者の新たな影響力は、デジタルトランスフォメーション(DX)に関する議論を促進し、仮定を修正し、技術の購入を検証するのに役立つはずです。また、IT担当者の31%が現在の状況を好機と捉え、組織内部のプロセスを最適化すべきであると強く実感しています。
多くの企業が直面している急速なデジタル化に対応するためには、社内の変革が必要です。IT担当者は、より明確なコミュニケーションラインを確立し、テクノロジーの導入と展開を合理化するだけでなく、日々の仕事量を最適化し、新しいデジタルアプリケーションなどのスタックをよりよく管理、活用するためにスキルアップの時間と余裕を確保する必要があります。