広島ガスや富士通、このまちネットワーク、知能技術は8月31日、ガスプラントの設備点検作業にローカル5G(私設運営型の第5世代移動体通信システム)などを活用する共同での実証実験を12月から2021年3月まで行うと発表した。
この実証は、総務省の「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」として行われるもの。広島ガスの廿日市工場において、液化天然ガス(LNG)プラントの設備点検作業にローカル5Gを活用し、保安業務の高度化を検証する。
具体的には、4Kや赤外線のカメラ、近赤外線式メタン検知器から取得する動画像やデータを、人工知能(AI)機能を備えるエッジコンピューティングサーバーを搭載した走行ロボットで分析、処理する。走行ロボットが無人監視を行い、無色無臭の天然ガスなどの漏えいを検知する。分析・処理から得た異常検知の情報をローカル5Gで中央制御室に伝送して可視化し、異常の早期把握による事故防止や保安業務の品質向上につなげるとしている。
実験では、動画像やAIで設備老朽化の兆候などの発見精度を高めたり、大型の金属設備やパイプラインがローカル5Gの電波伝搬に与える影響を実測したりすることなども予定し、プラント設備を有する類似する業界への展開などにも役立てたいという。

実証実験イメージ