NECとスペインの大手通信事業者のTelefonica(テレフォニカ)は、テレフォニカの主要市場であるスペイン、ドイツ、英国、ブラジルにおけるOpen RANのプレ商用実証に合意した。2022年に、4カ国合計800カ所以上に基地局を設置して商用展開することを目指す。
テレフォニカは1月にOpen RANの優先的な展開にコミットする覚書へ署名しており、2025年までにモバイルネットワーク全体の50%をOpen RANベースで構築することを目標としている。
これまでNECは、テレフォニカドイツ、テレフォニカUKと共にOpen RANの実証を進めてきた。今後は今回の合意に基づき、プライムシステムインテグレーターとして、テレフォニカグループのスペイン、ドイツ、英国、ブラジルの事業会社と共同でマルチベンダーによるOpen RANソリューションの実証を実施する。
今回利用するOpen RANソリューションは、多様なパートナー企業のソフトウェアとハードウェア製品で構成される。NEC製品は、超多素子アンテナ(Massive MIMOアンテナ)を搭載した5G(第5世代移動通信システム)基地局装置の無線機(Radio Unit)などが活用される。
両社は、スペイン・マドリッドに新設されたテレフォニカテクノロジー・オートメーションラボにおいて、最先端のOpen RAN技術やさまざまなユースケースの検証・導入を行う。英国に設置されたNECのOpen RANの事業開発拠点では、蓄積したノウハウを活用してマルチベンダーエコシステムの統合・検証を進めるとともに、革新的なユースケースをテレフォニカと開発する。