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NTTドコモ、通信障害で6つの原因と見解--復旧手順に認識のズレ

ZDNet Japan Staff

2021-11-10 13:10

 NTTドコモは11月10日、10月14~15日に発生した通信障害に関する報告書を総務省に提出するとともに、記者会見を開いて障害での影響や発生要因、再発防止策などを説明した。

説明を行ったNTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長の小林宏氏
説明を行ったNTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長の小林宏氏

 まず障害に伴う影響について同社は、「通信ができない状況」と「通信がしづらい状況」に分けて説明。「通信ができない状況」は、14日午後5時37分から午後7時57分までの2時間20分に及び、石川、富山、福井、奈良、和歌山の各県を除く42都道府県で約100万人に影響が出たと推計した。「通信がしづらい状況」は、14日午後4時54分から15日午後10時までの29時間6分に及び、全都道府県で音声については約460万人、データ通信については830万人以上に影響したと推計している。なお、通信がしづらい状況の影響したユーザー数は重複があるものの、同社が把握する通信実績データからは突き合わせができず不明だと説明している。

通信障害の概要(NTTドコモの報道資料より)
通信障害の概要(NTTドコモの報道資料より)

 発生要因は、「通信ができない状況」と「通信がしづらい状況」で合わせて6つあるとした。通信ができない状況の発生要因は、同社が「IoT機器」と表現する自動販売機の稼働状況などのデータを収集してドコモの回線経由で管理会社などに送信する機器や、タクシーなどに設置される通信を伴う決済処理機器などの位置情報を登録するドコモのサーバーの切り替え工事に起因したとする。

 ここでは、旧サーバーから新サーバーへ切り替えた際に、IoTの海外ローミングを行う機能を持つソフトウェアの仕様によって、機器からの位置情報登録が適切に行えない事象が発生。このソフトウェアの仕様を適切に把握していなかったことが要因の1番目だと説明した。

発生要因1と2(NTTドコモの報道資料より)
発生要因1と2(NTTドコモの報道資料より)

 要因の2番目は、この事象を解消するために実施した旧サーバーへの切り戻し作業だとしている。切り替え工事はドコモと外部の協力会社が行っていたといい、切り戻し作業ではあらかじめ作業手順が決められ、ドコモと協力会社の間で共有していたものの、一定数の機器に分けて段階的に復旧させる中で、この数をどうするか、復旧のための信号を発信する方法などについてドコモと協力会社の認識に「齟齬(そご)」があったとしている。要因1と2による結果として、IoT機器から位置情報をサーバーに再登録するための大量の通信が発生。IoT機器以外からの通信も合わせて処理が信号交換機に搭載されたメモリーの容量不足によって正常に行えなくなり輻輳(ふくそう)状態に陥った。これを要因の3番目に挙げている。

発生要因3(NTTドコモの報道資料より)
発生要因3(NTTドコモの報道資料より)

 「通信がしづらい状況」は、要因1~3が発生する中で生じたとする。ドコモは、「通信ができない状況」を解消するための2時間20分の作業の中で、IoT機器からの位置情報の再登録を規制する措置をエリアに分けて段階的に実施した。その際に、IoT機器からだけでなく4G(第4世代移動体通信)端末からの通信も規制したという。IoT機器の通信と4G端末の通信を分離して規制することが不可能だったという。これが要因の4番目だとした。要因の5番目は、14日午後10時23分に開始したというIoT端末からの位置登録の数調整だとし、事前の準備が不足して作業開始が結果的に遅れたと説明している。

発生要因4と5(NTTドコモの報道資料より)
発生要因4と5(NTTドコモの報道資料より)

 最後の要因の6番目には、ユーザーへの情報発信の不備を挙げた。同社は「通信ができない状況」の解消をもって「障害復旧」と発表したが、ユーザーは「通信がしづらい状況」も障害という認識であり、ドコモが顧客視点の判断基準を持ち合わせていなかったとした。

発生要因6(NTTドコモの報道資料より)
発生要因6(NTTドコモの報道資料より)

 再発防止については、同社が挙げた要因1~6に基づいて、「IoT海外ローミングに対応したソフトウェアの導入」「切り戻し手順内容の条件の明確化」など10種類の対策(下表参照)を、一部を除き、2022年1月下旬をめどに実施していくとした。

再発防止策(NTTドコモの報道資料より)
再発防止策(NTTドコモの報道資料より)

 併せて代表取締役社長の井伊基之氏が、役員報酬の月額20%を自主返納(減額1カ月)するなど役員8人が役員報酬を自主返納したと説明した。

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