KDDI、Supershipホールディングス、Supershipは、ユーザーのライフスタイルに関連性の高い広告をプライバシーに配慮して配信するデジタル広告配信プラットフォームを共同で開発し、2022年1月の提供を予定している。
同プラットフォームでは、英国に拠点を置く企業Novatiq(ノバティック)の特許技術を活用することで、ユーザーが同意したデータのみを利用し、関連性の高い広告を配信することが可能となる。今後3社は、同プラットフォームとSupershipの広告配信プラットフォームを組み合わせ、広告主に向けてデジタルマーケティングを提案する。
従来のデジタルマーケティングでは、広告配信事業者などが収集したサードパーティーデータを利用することで、ユーザーの興味関心やニーズに関連する広告をウェブサイトやアプリを横断して配信することが主流だった。だがプライバシー保護の観点から、クッキーや広告IDを利用してユーザーの事前同意なく行動を追跡するサードパーティーデータの利用が問題視される動きが世界的に見られ、新しいマーケティング手法の開発が求められている。
同プラットフォームでは、ウェブサイトやアプリの利用ごとに一時的に発行する広告配信用識別子(広告配信用ID)と、ユーザーの同意に基づいてKDDIグループが預かっている性別や年代などの属性情報を組み合わせる。これにより、ユーザーが同意した属性情報のみを活用してプライバシーに配慮しつつ関連性の高い広告を配信し、広告主の効果的なマーケティング活動を支援する。
広告配信用IDは、ウェブサイトやアプリなどへのアクセスごとにランダムで生成されるため、同じ広告配信用IDがユーザーのPCやスマートフォンなどの端末に保存されることはない。これにより、ウェブサイトやアプリを横断してユーザーの行動履歴が追跡・収集されることはないという。
同プラットフォームは、Supershipの広告主側のプラットフォーム(DSP)「ScaleOut」やメディア側のプラットフォーム(SSP)「Ad Generation」を通して提供される。Supershipホールディングスは2021年6月にNovatiqと資本業務提携契約を締結しており、アジア地域において同社特許技術の独占的な利用が認められている。