Googleは米国時間1月25日、ウェブ広告を廃止することなくユーザーのプライバシーを保護するための新たな技術「Topics」を発表した。今後数週間でこの手法のテストを開始し、プライバシー擁護派の反発を招いている以前のプロジェクトを置き換える計画だ。
提供:Stephen Shankland/CNET
Topicsのインターフェースは、Googleの「Chrome」ブラウザーに組み込まれたソフトウェアを利用し、ユーザーのインターネット閲覧行動をモニターして、各週にユーザーが興味を示していると推測されるトピックを5件選んでリストを作成する。トピックは、車、フィットネス、旅行、アニメ、ニュースなど多岐にわたる。
Chromeチームの製品管理担当シニアディレクターであるBen Galbraith氏によると、このトピックのリストは、ユーザーからアクセスされるたびにウェブサイトに3件のトピックを提供するために使われ、過去3週間からそれぞれ1件ずつ選ばれる。
Googleは、Topicsをクッキーに代わるものとして位置づけている。クッキーは、さまざまなウェブサイトを訪れるユーザーを追跡するためにサイト側が使用する小さなテキストファイルで、これにより構築した行動プロファイルに基づいてターゲット広告を表示する場合がある。Googleは、Topicsがクッキーよりも受け入れやすく、ユーザーをまったく追跡しないウェブより優れているとネットユーザーが感じられるようにしたいと考えている。この提案の詳細は、同社の「Privacy Sandbox」のサイトに掲載されている。
Appleの「Safari」、Microsoftの「Edge」、Mozillaの「Firefox」、Brave Softwareの「Brave」といった競合ブラウザーは、ユーザーの追跡と、それによって可能になる強化された広告を段階的に廃止する動きを強めている。
Googleの直近の四半期決算でもオンライン広告が売上高の大部分を占めている。Galbraith氏は、「ウェブが繁栄し続けるために、ユーザーが引き続きオンラインで無料のコンテンツを利用できるべきであり、そのために関連性のある広告が求められるとわれわれは確信している」と語る。
Topicsは、サードパーティークッキーの代わりに利用できる広告のための識別子「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)に取って代わることになる。FLoCは、Googleが以前に提案した考え方で、電子フロンティア財団(EFF)やMozilla、プライバシー擁護派などから厳しく批判されていた。
FLoCをめぐる懸念の1つは、それがユーザーを膨大な数のグループの1つに割り当てるとしても、その割り当て自体がデータポイントになり、ユーザーの追跡に使用される可能性があるというものだ。グループの数が多くなるほど、割り当てを通じてユーザーがより具体的に特定される可能性が高まる。
Topicsのインターフェースは、そうした反発に答えるものだとGalbraith氏は説明する。トピックごとに作られるグループは、数がより少なく、人数はより多くなるよう設計されているので、Topicsはそれほど特定的な識別子にはならないとしている。Googleはまず300のグループでテストを始めるが、Topicsを本格的に運用開始する頃には、その数は数千にまで増える可能性がある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。