primeNumberは3月3日、データ統合自動化サービス「trocco」の海外展開を開始すると発表、同サービスを英語圏に向けて公開した。
データ統合市場は世界で急速に拡大している。グローバルインフォメーションが発表した調査レポートによれば、同市場は2026年に196億ドルの規模になると予測。ビッグデータ技術やクラウドコンピューティング技術の台頭、クラウド上にあるデータの増加、従来のデータ管理ツールでは対応できないニーズなど、さまざまな要因がデータ統合ソリューションやサービスの導入を促進すると予想されている。
こうした背景から、primeNumberではtroccoの海外展開を開始する。まずはtroccoを英語に対応させ、パートナーや従業員などを拡張しながら海外事業を本格化していく。
troccoは、ユーザーが保有する膨大かつさまざまな種類のデータを自動で統合し、データ活用を効率化するクラウド型サービス。データ統合に関する工数の約9割を削減することで、エンジニアがより戦略的な業務に集中することを支援するとしている。
primeNumber 代表取締役CEOの田邊雄樹氏
代表取締役で最高経営責任者(CEO)の田邊雄樹氏は、まず注力地域として北米とアジア太平洋(APAC)を挙げる。市場の成長や事業の実績などを踏まえた上で、現地法人の立ち上げやサービスの拡充を検討していく。
2月には米Salesforce Venturesから資金を調達しており、これも海外展開を視野に入れての動きとなる。国内事業と同様に、コミュニティー活動を主体としてエンドユーザーにサービスの価値を訴求する仕組みを構築する。「5年後の2027年辺りには、日本事業と同じ程度の顧客数(2022年3月段階で約200社、5年後には約2000社を想定)の獲得を目指したい」(田邊氏)
海外進出のメリットについて、同氏は「世界のユーザーからフィードバックをもらったり、国際的な研究機関と交流を図ったりすることで、世界で最先端を行くデータエンジニアリングの技術や知識を日本のマーケットに持ち帰れるようになる」と強調した。
また、サービスの英語対応によって、日系グローバル企業における海外拠点でのツール導入や、国内企業で働く外国人エンジニアの利用促進にも期待しているという。
国内に目を向けてみると、現在は従来のIT企業や新興企業に加えて、非IT企業での導入拡大を進めており、直近で開催したプライベートイベントで大手製薬会社のピップが登壇するなど、事例の公開に注力しているという。
製品戦略については、従来のETL(抽出、変換、展開)・ワークフロー機能と2021年12月に追加したデータカタログ機能のほか、2022年中にデータモデリング機能をリリースする予定。これによって、データ管理全般を支援するサービスに成長させていく方向を示した。