GitHubは米国時間9月20日、オープンソースコードの保管庫である「GitHub Arctic Code Vault」の仕上げとなる作業の完了を発表した。これによりアーカイブデータは、未来の人々の探究心を呼び起こすような、人工知能(AI)によって生成されたエッチングが表面に施された1.4トンの鋼鉄製の箱に収納された。
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GitHubは既に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まって間もない2020年2月2日時点におけるすべてのパブリックリポジトリーのスナップショットとなる21TB分を収納していた。だが、パンデミック中であったため、保管庫への収納作業は現地の契約業者によって実施され、GitHubの従業員は誰も立ち会っていなかった。
ほとんどのスナップショットはQRコードで符号化され、180巻を超えるフィルムリールに焼き付けられた後、ノルウェーのスヴァールバル諸島の地下250mにある炭鉱跡地に設けられたArctic World Archiveに2020年7月以来保管されている。この場所は北極点に近い極寒の地であり、その近くには「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」もある。
GitHubは、フィルムリールが当初収納されていた保管庫についての情報を明らかにしていない。しかし、それがどのようなものであれ、オープンソースのコードが生み出された文化的、経済的背景に関する知識をほとんど持ち合わせていないであろう未来の人々に対して、その重要性を示せるだけの十分な美しさを有していなかったということなのだろう。
このアーカイブが見据えている1000年先には、現在の大手テクノロジー企業はすべて姿を消し、そうした企業が作り出した、ネットワークから、ソフトウェア、スマートフォン、プログラミング言語に至るテクノロジーも姿を変えているのはまず間違いないだろう。
Arctic World Archive内に設置されたこの真新しい保管庫の外壁には、アーティストのAlex Maki-Jokela氏がAIを用いて生成した作品が刻まれている。
「GitHub Archive Program」の創設ディレクターJon Evans氏はブログに、「GitHubのArctic Code Vaultは今や文字通り金庫(vault)となり、われわれのアーカイブフィルムリールは1400kgの保管庫内に安全に保管されている。遠い未来にこれが発見され、発見した継承者たちがこの正体について見当がつかなかったとしても、何か素晴らしいものであることは分かるはずだ」と記している。
Evans氏は、同プロジェクトのパートナーLong Now Foundationでエグゼクティブディレクターを務め、デザイナーでもあるAlexander Rose氏から、「これは美しく仕上げなければ間違いなく台無しになる」と告げられたという。
このような長期的視点に立ったArctic Code Vaultが持つ意味について考え込む人もいるだろう。
Evans氏は、「不安になるほど大量な世界の知識は現在、寿命の短いメディアに保存されている」と記した上で、ハードディスクやCD-ROMの寿命について言及している。「今回のように保存をしなければ失われてしまうであろうソフトウェアが未来で必要とされることもあるかもしれない」
GitHub Arctic Code Vault
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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。