生成AI利用の法的意味をもっと理解すべき--米大学が警告

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2023-06-22 10:46

 開発者やビジネスパーソンは生成人工知能(AI)の法的意味をもっと深く理解する必要がある、とスタンフォード大学の新しい論文は主張している。AIを使用して生成されたコードや言葉、画像は、著作権で保護された素材をベースとしている場合があり、訴訟の波が押し寄せる可能性があるからだ。

コードの画面
提供:Yuichiro Chino/Getty Images

 問題は、生成AIによる出力の所有権は誰に帰属するか、ということだ。論文によると、それはまだ曖昧な領域であるという。

 生成AIを使用すると、開発者やビジネスユーザーはボタンをクリックするだけで、コードや物語を生成できる。残念なことに、「『ChatGPT』や『DALL・E』などのAIエージェントを支えるデータセット内の言葉や画像のほとんどは著作権で保護されている」と論文の著者らは指摘する。「既存の基盤モデルは、著作権で保護された素材を使って訓練されている。データ作成者が適切な権利の帰属を認められていない、または、適切な補償を受けていない場合、これらのモデルを導入すると、法的または倫理的なリスクが生じる可能性がある」

 一定の条件の下で著作物の使用を許可する法的原則は、「フェアユース」と呼ばれる。しかし、論文の著者らは、「モデルが、著作権で保護されたデータによく似た出力を生成した場合、特にそのデータの市場に影響を及ぼすシナリオにおいては、モデルの出力にフェアユースが適用されなくなる可能性もある。フェアユースは保証されたものではない。フェアユースの範囲内でのモデルの開発および展開を維持するには、さらなる取り組みが必要になるかもしれない」と主張している

 論文の共著者であるPeter Henderson氏は関連するインタビューで、AIと機械学習を実際に使用している人が「フェアユースのニュアンスを必ずしも認識しているわけではない」と指摘した。「同時に、裁判所は現実世界で大きな注目を集めた特定の事例について、フェアユースによる保護の対象にはならないとの判決を下したが、それらの事例は、AIが出力しているものによく似ている。この分野での判決内容は不透明だ」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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