KPMGジャパンは、生成AIに関する包括的な支援サービスの提供を開始した。同社は生成AIの利用では、利便性だけでなく、企業情報の漏えいや著作権侵害、虚偽情報の流布など、企業の社会的信頼を大きく毀損(きそん)するリスクがあるとする。また、常に変化する生成AIを取り巻く外部環境に対して評価と改善を繰り返すアジャイルガバナンスの構築など、利用の効果が最大化される仕組みが整っていない状況があるという。
こうした課題を解決するため、同社はタスクフォースを組成し、生成AIの適用領域の創出や個別課題解決だけでなく、コンプライアンス対応の全体最適化や生成AI事業への参入、企業の健全かつ持続的な発展までを総合的に支援することにした。例えば金融機関向けには、業界特有の専門用語を用いた文書の解釈を含め、金融業務に適応した対話型AIの開発・導入に関わるアドバイザリーサービスを提供する。
同社はステージ1〜3に分けてサービスを提供する。ステージ1では、生成AIの導入と利用開始に当たり、自社に必要なポリシーおよびガイドラインの整備や、重大なリスクを顕在化させない生成AIの安全な利用基盤の構築を提供する。
ステージ2では、生成AI導入後の効果最大化に向け、生成AI利用領域の選定とPoC(概念実証)を実施するとともに、生成AIマネジメント戦略の要素となるオペレーション、組織・人材、システムを変革するロードマップの策定を支援する。ステージ3では、これらの変革を行う「生成AIマネジメント戦略」の実行を支援する。
さらに各ステージ共通のサービスとして、生成AI技術、規制・法令・外部ガイドライン、他社の取り組み事例について最新動向を調査し、企業のニーズに応じたレポートをKPMGのインサイトを交えて提供する。
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