Intelは米国時間6月22日、シカゴのアルゴンヌ国立研究所にあるスーパーコンピューター「Aurora」に、「Intel Max」シリーズを搭載した1万624台のブレードを設置したと発表した。
アルゴンヌ国立研究所で作業する設置チームのメンバーら
提供:Argonne National Laboratory
これによりAuroraは、6万3744個の「Intel Data Center GPU Max」シリーズと、2万1248個の「Intel Xeon CPU Max」シリーズプロセッサーを搭載した1万624台のブレードを完全装備したことになる。
Auroraは、IntelがHewlett Packard Enterprise(HPE)および米エネルギー省と協力して実現。高性能コンピューティング(HPC)の3本柱であるシミュレーション、データ分析、AIの可能性を最大限に引き出すべく設計された。Intelの分散型非同期オブジェクトストレージ(DAOS)を使用した1024個以上のストレージノードが組み込まれ、220ペタバイトの容量を総帯域幅31テラバイト/秒で提供する。また、HPEの高性能相互接続ソリューションである「HPE Slingshot」を活用している。
Auroraは2023年内に、理論ピーク性能として世界で初めて2エクサフロップス以上を達成し、スーパーコンピューターランキング「TOP500」に名を連ねると見込まれている。
「Auroraは、Max Series GPUの最初の導入例となる。Xeon Max CPUベースのシステムとして最大であるほか、GPUクラスタとしても世界最大規模だ。この歴史的なシステムの一翼を担えることを誇りに思うと同時に、Auroraによって実現するAI、科学、エンジニアリングの画期的な成果に期待している」と、Intelのコーポレートバイスプレジデント兼スーパーコンピュートグループ担当ゼネラルマネジャーのJeff McVeigh氏は述べた。
現代の科学者は、気候変動対策や致命的な病気の治療法発見など、大きな課題に直面しており、こうした大規模で高度なコンピューティング技術は、その解決に貢献できる見通しだ。Auroraは、科学的探求の限界を押し拡げるために必要なツールを提供し、HPCとAI分野のニーズに対応することが期待されている。