マネーフォワードは9月8日、傘下のマネーフォワードiが提供する「マネーフォワード Admina」において、ITデバイスを管理できる「デバイス管理機能」が追加されたこと発表した。
デバイス管理機能は、社内のITデバイスをAdminaに登録し、一元的にステータスを可視化する。入退社の際に従業員に付与・削除するSaaSアカウントと、ITデバイスの双方をAdmina上で管理できることにより、重複管理の手間を削減する。
企業の情報システム部門は、従業員のPCやスマートフォン、ネットワーク機器、複合機、セキュリティカードなど、多種多様のITデバイスを管理対象としている。多くの場合、これらをPC管理台帳、スマートフォン管理台帳、備品管理台帳、情報資産管理台帳など、個別の台帳で管理していることから、データの分断や管理コストの増大といった課題の原因となっている。
また、資産管理ツールやモバイル端末管理(MDM)を導入している場合でも、表計算ソフトを用いて割当管理や在庫管理をする必要があり、重複管理の手間が生じている。
このような課題を解決するためデバイス管理機能では、ITデバイスの管理に利用している表計算ソフトや在庫管理ツールから、Adminaへデータ移行する際、現存データをそのままインポートすることができる。Adminaのユーザーインターフェース(UI)上から、各自のITデバイス保有状況を一覧で確認することが可能で、従業員にひも付かない拠点モニターや共有PCなども合わせて管理できる。「貸与」「在庫」「故障」など、各種のステータスも管理可能。ステータスや利用者が変更される場合も自動で記録し、過去の利用者情報もさかのぼって確認できる。
ITデバイスの利用履歴も追うことができる
ITデバイスとその利用者、ステータスなどを一元化
デバイス管理機能の利用にはAdminaの「Device プラン」への申し込みが必要となる。
Adminaは、社内で使用されているSaaSの状況を可視化し、管理を支援する「SaaS管理プラットフォーム」として2021年に提供開始されたサービス。しかし、情報システム部門の業務はSaaS管理だけでなく、多岐にわたる。リモートワークの普及によるリモートアクセスの実施とゼロトラストの重要性、セキュリティの強化、コラボレーションツールの導入とサポート、リモートによるトラブルシューティング、クラウドインフラストラクチャーの管理など、時代の変化と共に業務範囲は広がり、負荷が増しているという。
そのため、Adminaでは、SaaSと同様に工数がかかる「ITデバイスの管理」も効率化したいと考え、「デバイス管理機能」の提供を開始したとマネーフォワードは説明する。今後も、SaaS管理の枠を超え、情報システム部門の業務全体を効率化し、ITマネジメント戦略のコアツールとして企業のDX促進に貢献できるよう、Adminaの対応業務領域を広げるという。