石川県輪島市は、総合行政ネットワーク(LGWAN)環境で「Microsoft 365」やAdobe製品を利用するため、統合型セキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」を採用した。A10ネットワークス(A10)が発表した。
同市では、冗長化されたA10 Thunder CFW経由でLGWANからクラウドサービス向けのトラフィックをオフロードする。Microsoft 365ドメインの自動追従やSSL/TLS可視化機能を同時に利用することで、安全面を維持したまま端末展開やアップデートにかかる人的、時間的な負担を軽減する。
A10 Thunder CFW活用時のネットワーク構成図
A10 Thunder CFWは、企業や自治体のクラウドサービスの活用促進に必要となるさまざまなネットワークセキュリティ機能を統合したセキュリティプラットフォーム。通信制御の機能では、クラウドサービスのドメイン名から通信を柔軟かつ正確に振り分け、ネットワークのひっ迫にも対応する。
総務省が示す「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の三層分離のネットワーク環境では、LGWAN接続系の端末からの通信を集約し、Microsoft 365の通信を直接インターネットに振り分ける。またインターネット回線の負荷分散も担い、レスポンス低下やアクセス遅延を防ぐ。さらに不定期に更新されるMicrosoft 365ドメインの自動更新にも対応し、日本語のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)で運用の負荷も軽減する。
同市は、A10 Thunder CFWの本稼働を2024年1月に予定しており、64人の職員から利用を開始する。将来的には「Salesforce」上に構築された電子申請サービスの管理画面をLGWANで利用できるようするなど徐々に活用範囲を広げ、業務効率改善に取り組んでいく。