今や多くの知識労働者にとって、ハイブリッドワークは新たな日常になった。しかし一部の人にとっては、適応するための時間を必要とする、これまでとは異なる働き方でもある。
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問題の1つは孤立だ。フリーランサーとして10年以上自宅で仕事をしてきた筆者のような人間でさえ、この問題を実感している。コロナ禍前の筆者の仕事生活は、時々物理的にロンドンに行ってインタビューを行うことで単調さを免れていた。
以前はよく、優良企業の立派なオフィスに出向いて最高情報責任者(CIO)と1対1で話をしたり、イベントに顔を出して話者を捕まえて話を聞いたりしたものだ。電話越しにインタビューを行うことも多かった。
その頃は、ビデオチャットでインタビューをしたことはなかったし、先方からそれを求められたこともなかった。
コロナ禍によって誰もが自宅に閉じこもらざるを得なくなったことで、すべてが変わった。「Zoom」や「Teams」などのビデオ会議ツールが一気に普及したからだ。
それから3年が経過し、ビデオチャットはごく普通のことになった。最近ではビデオ会議プラットフォームの成長がかなり鈍化していることは確かだが、コロナ禍が終わればそうなることはあらかじめ予想されていた。
しかし、少なくとも筆者の仕事生活には、対面でインタビューを行うためにときおり企業の本社オフィスに出向く日々は戻ってこなかった。誰もがビデオ会議用のリンクを送ってきて、オンラインでインタビューをするようになったのだ。
他の分野のプロフェッショナルにも、同様の変化が起きている。先日、ある企業の幹部は、ハイブリッドワークが一般的になった今でも、在宅勤務中は部屋の中で1人で何時間も座り続けていると愚痴を言っていた。
その孤独と退屈を破ってくれるのは、ときおり行うビデオ通話だけだという。また、本社のオフィスに出社していない人々は、マネージャーがどんなに工夫をして、ハイブリッド会議でもオフィスにいる人と同じ経験ができるようにしようとしても、取り残されたような気分を感じている。
一部の企業は、在宅勤務という壮大な実験を管理するために生じたさまざまな課題にうんざりしており、少なくとも1週間のうちのかなりの時間は、従業員をオフィスに戻したいと考えている。
一方で、先駆的な企業の中にはハイブリッドワーク戦略を成功させているところもある。では、そうした企業はどうやって成果を上げているのだろうか。この記事では、4人のビジネスリーダーにその秘訣を聞いた。