アパレル大手のユナイテッドアローズは、請求書管理サービス「Bill One」を導入した。年間約1万2000件に及ぶ請求書業務のデジタル化を図ったほか、インボイス制度の開始に伴う確認業務の追加工数を大きく減らした。サービスを提供するSansanが11月7日に発表した。
ユナイテッドアローズは、経営課題の一つに「デジタル技術による効率化」を掲げ、生産性向上に取り組んでいる。特に請求書業務では、個人事業主や中小企業との取引が多いことから約8割を紙で受領しており、請求書の開封・振り分け・支払い情報の手入力などの作業が発生していた。
また、インボイス制度の開始後は受領する請求書が適格請求書の要件を満たしているか否かを確認する必要があり、担当者の負担が増加することが懸念されていた。
Bill Oneは郵送やメール、アップロードなど、幅広い形式の請求書をデータ化し、クラウドでの一元管理を可能にする。従来課題となっていたアナログ業務を削減することで、月次決算の加速を後押ししているという。
Bill Oneには、受領した請求書が適格請求書の要件を満たしているか自動判定できる「適格請求書判定機能」が実装されており、担当者は請求書に必要項目が記載されているかどうかや消費税額の計算方法が合っているかどうかなどを細かく確認する必要がない。受領した適格請求書は、電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存される。
ユナイテッドアローズは、請求書受領に関するシステムを初めて導入するに当たり、安定した運用ができるかどうか不安に思っていたという。Bill Oneのサービスでは、ユーザー企業ごとに専属の担当者が付き、システムの導入や活用をサポートするため、不安点や疑問点を解消しながら運用を開始できた。
ユナイテッドアローズ ITビジネスソリューション部 シニアマネージャーの江田拓司氏は、Bill Oneについて「現行の業務フローを大きく変えずに業務効率化と法制度対応を実現できる点」を評価した。