日本管財ホールディングスは、生成AIシステム「NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4」の導入を開始したと発表した。
このシステムは、同社が6月に導入を開始した独自の対話型生成AI「NK-AIbot Powered by GPT-3.5」に、業務マニュアルや提案書といった独自の社内データを知識としてAIに学習させ、チャット形式で活用できる機能を追加実装したものになる。
日本管財ホールディングスは、オフィスビルや商業施設などの建物管理運営事業や住宅管理運営事業、環境施設管理事業、不動産ファンドマネジメント事業など、建物管理とその周辺事業を手掛ける企業の持株会社として2023年4月3日に発足した。
「NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4」の活用イメージ
NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4は、「NK-AIbot Powered by GPT-3.5」に、全文検索システムとGPT技術を組み合わせることで、自社データなどの任意データを活用可能にした。情報セキュリティについては、「Microsoft Azure上」に同社グループ専用の環境を構築することで、蓄積された情報が二次利用されない安全な環境となっている。
これまでに導入した「NK-AIbot Powered by GPT-3.5」「NK-AIbot Powered by GPT-4」は、導入開始の2023年6月から5カ月間に、グループ全体の合計1日当たり平均約350回、3万回以上利用されている。
主な利用内容は、法制度や不動産専門用語の確認、Officeアプリケーションの操作方法などの「情報入手」、外国語翻訳、メール・資料の文章表現の添削、議事の要約文書の作成といった「文章校正」など。また、企画の項目案出し、比較資料のテーブル形式出力、簡単なプログラミングコードの作成、ロードマップ・予定表の作成、文書の素案作成などにも使われたという。
「NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4」のロードマップ
開発第2フェーズの段階に入ったというNK-AIbot-D1 Powered by GPT-4では、2023年度内に質問の文脈から質問者の意図を読みとり、より的確な回答ができるよう機能面の向上をめざす。また、業務の標準化や効率化、サービス品質の平準化に資するAIとして開発をすすめるとともに、マニュアルの整備や勉強会の実施など、今後も国内外のグループ会社を含めた全社的な活用を促進していく。