筆者はかつて、「Linux」ディストリビューションを頻繁に切り替えていた。その頃は、さまざまなOSを次々と渡り歩いていたものだ。「RedHat」から「Mandrake Linux」に乗り換え、さらに「SUSE」「Ubuntu」を試し、その後は「Bodhi Linux」に移り、「Elementary OS」を使ってみるといった具合だった。
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ディストリビューションを頻繁に変えることの楽しみの1つは、サプライズにある。筆者は、先入観を持たずに楽しむために、事前に何も調べずに新しいディストリビューションをインストールしていた。このゲームは長年にわたって楽しませてくれた。
しかしある時、変化が起きた。忙しくなりすぎて、ディストリビューションを乗り換えている暇がなくなってしまったのだ。筆者は突然、長い間1つのOSを使い続けなければならなくなった。1つのディストリビューションを丸1年間使い続けた後、そのまま2年、3年と続いてしまったことは、自分にとってショックだった。
ただ今では、さまざまなLinuxを渡り歩いていた頃のことを懐かしく思いつつも、ようやく1つのところに腰を落ち着けることができ、OSに飽きてしまって、次に移らなくてはと感じることがなくなったことをうれしく思っている。
ここまで読めばお分かりだろうが、筆者はLinuxの乗り換えにすっかり慣れてしまっている。しかし、まだそれほど慣れていない人は、Linux環境を切り替える時には、幾つかのことを事前に検討しておいた方がいい。
以下では、検討すべきポイントを説明していく。
1.パッケージマネージャー
おそらくこれが一番大きな問題だろう。Ubuntu系のディストリビューションを使っていた人が、別のUbuntu系のディストリビューションに移行する場合は問題はない。「Linux Mint」であっても「Kubuntu」であっても、結局のところ「Apt」はAptだからだ。では、Ubuntuから「Fedora Linux」ならどうだろう。この場合もそれほど大きな違いはない。コマンドが次のように変わるだけだ。
- Ubuntu:sudo apt-get install gimp -y
- Fedora:sudo dnf install gimp -y
ただし、インストール、削除、アップグレードの全てのプロセスがほぼ同じなわけではなく、多少の違いはある。しかし、Ubuntuから「Arch Linux」に移行したらどうだろうか。こちらはもっと大変だし、長年にわたってapt-getを使ってきた人にとっては、「pacman」は厄介に感じられるかもしれない。
ディストリビューションを切り替える時には、事前にどのパッケージマネージャーが使われており、そのパッケージマネージャーがどんな仕組みかを確認しておいた方がいい。救命胴衣を着けずに海に入るべきではないのと同じだ。