IDC Japanは4月25日、国内AIシステム市場(エンドユーザー支出額ベース)の予測を発表した。2023~2028年の年間平均成長率は30.0%で、2028年の同市場の規模が2兆5433億6200万円になると予測している。
2023年の同市場の規模は、前年比34.5%増の6858億7300万円だった。2023年は生成AIの商用化が本格的に進み、さまざまな業界で生成AI活用の実証実験が多数実施されたとする。生成AIの利用目的は、テキストや画像、動画、プログラミングコードの生成など多岐にわたり、同社は、国内企業で生成AIに対する積極的な姿勢が示され、関連する市場や業界が活発化していると分析する。
AIシステム市場の内訳では、46.6%を占めるソフトウェアで前年比33.4%増、25.0%を占めるサービス市場が同57.6%増、28.3%を占めるハードウェア市場で20.7%増となった。
同社は、2024年の市場規模を同31.2%増の9000億6300万円と予測する。AIモデルを構築する先進的な企業グループがデジタルビジネスを見据えた独自の生成AIモデル構築のための大規模な実証実験と本番運用に向けた投資を加速させると見ている。
また、2023年に限定的な利用にとどまっていたAIモデルを使う企業グループでも、簡易なモデルの作成、生成AIを組み込んだアプリケーションの導入が加速し、AIシステムの需要がさらに高まるという。2024年の市場動向は2023年に比べ成長スピードがいったん減速しつつ、2025年には再び成長率が上昇すると予想する。
同社 Software & Services リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は、「新旧の要素技術と知的財産や人的ネットワークを相互に生かすことで、総合的に価値連鎖を起こす新市場を見出す必要がある」と述べている。
出典:IDC Japan