Qualtricsは米国時間5月1~3日、本拠地のユタ州ソルトレークシティで年次イベント「X4 Summit 2024」を開催している。同社は、この1年間に最新のプラットフォームを打ち出し、製品体系を変更するなど、生成AIを全面的に受け入れる素地を整えてきた。イベント会期中も生成AIを活用した機能を発表した。最高経営責任者(CEO)のZig Serafin氏は、「ビジネスをもっと人間らしく」と述べる。
Qualtrics 最高経営責任者のZig Serafin氏
顧客や従業員の満足では不十分、感情の結び付きを
サーベイ機能の提供から事業をスタートした同社は、創業23年目を迎える。その間に、「体験管理(Experience Management:XM)」というカテゴリーを創出し、顧客と従業員のXMを改善するためのソリューションに昇華させた。「Fortune 50のうち43社がQualtricsの技術を使っている」とSerafin氏は胸を張り、「XMはミッションクリティカルになった」と語った。
そのXMは、AIを組み込むことでどのように進化するのか。Serafin氏は、「AIによりゲームチェンジングなイノベーションが起こる」とし、「XMは適応性があり、ダイナミックで、自己チューニングできるシステムになる。顧客や従業員とのやりとりを大きく変えるだろう」と続ける。この変化はアナログからデジタルへのシフトに匹敵するとした。
Qualtricsの武器は、これまでのXMソリューションの提供を通じて蓄積してきた情報だ。従業員や顧客の感情に関する情報はほかに類を見ないとSerafin氏。「これを活用することで、顧客や従業員との感情的な結び付きを実現できる。これは大きなビジネス価値をもたらす」と続ける。実際に「Harvard Business Review」の顧客と投資対効果(ROI)の調査からも、最終ゴールが顧客満足ではなく、顧客と感情的な結び付きを構築するという結果が出ていると紹介した。
さらに、この調査からは、顧客体験に問題があっても3人に1人しか企業に伝えないことや、64%が一度悪い体験をすると乗り換えを考えていることが分かったという。