両備システムズ、AI画像解析による物流最適化ソリューションを開発

大河原克行

2024-06-10 13:23

 両備システムズは6月10日、AIによる画像解析などを活用して荷待ちトラックの時間短縮や物流業界の人手不足の解消に貢献するAIソリューションの提供を開始すると発表した。

ソリューションの構成イメージ
ソリューションの構成イメージ

 このAIソリューションは、同社が開発したトラックの受付から退場までの時間を管理するバース入退場管理システム「R-Teams(アールチームス)」をベースに、荷物の数量確認の時間を短縮できるAIカウントツール「CountShot(カウントショット)」を組み合わせている。これにより、1運行当たりの荷待ち時間や荷役作業にかかる時間を平均で約30%削減、最大では60%削減できるという。

 この日記者会見した営業本部 民需営業統括部 DX推進営業部長の谷口芳正氏は、「荷待ちや荷役などの時間を可視化して効率化に貢献できるソリューション。製造や物流などの物流効率化に取り組む事業者に提供することで、物流の2024年問題における課題解決につながる」と説明した。同社は、製造や物流などの物流の効率化に取り組む事業者を対象に販売する考えだ。

 今回のソリューションのベースとなる「R-Teams」は、同社が以前から販売しているもので、4つの施設への導入実績を持つ。荷物の積み下ろしを行うバースで、トラックの入退場を管理できる。各作業工程の業務時間を可視化して、業務全体の効率化を図り、ドライバーや庫内作業者の労働時間の短縮を可能にするという。

バース入退場管理システム「R-Teams」での荷役管理
バース入退場管理システム「R-Teams」での荷役管理

 既存システムや他社システムとの連携により、入場するトラックのチェックイン自動化や半自動化、マニュアルモードなどを選択でき、受付業務を省力化できるほか、トラックバースへの接車や離車をIPカメラの画像やセンサーのデータからAIで解析し、自動検知することで、オペレーションロスを抑制することが可能だ。監視カメラ画像のAI分析には、同社が開発した駐車場管理システム「IT-Parking(アイティーパーキング)」の技術を活用している。

 IT-Parkingは、駐車場管理の人手不足を補うソリューションとして、大型商業施設や道の駅など、駐車場の満空管理で実績を持つ。既存のカメラや場内の誘導設備と連携できるほか、柔軟なレイアウトの変更、クラウドによる複数駐車場の一元管理といった特徴を持つ。屋内外いずれの形態の駐車場に対応し、場内監視や記録、防犯用途でも活用できる。これまで新丸ビル駐車場や東京都八重洲駐車場、東京都日本橋駐車場など14施設に導入さているという。

 今回のソリューションは、これらの既存ソリューションに、同社が6月に新発売するCountShotを組み合わせて実現した。CountShotは、目視による出荷時の製品数のカウント作業をAIが代替でき、カウント時間の短縮とともに人手による業務を軽減する。

AIカウントツール「CountShot」でピッキングした鉄筋の数を自動集計している様子
AIカウントツール「CountShot」でピッキングした鉄筋の数を自動集計している様子

 具体的には、出荷タグを読み取ることで入力作業を軽減するとともに、画像によるエビデンスを確保することで、管理部門や営業部門での確認業務を短縮し、顧客からの問い合わせにもスムーズに対応できるようになる。また、AIで解析する画像内の範囲の指定では、あらかじめ複数のトリミングパターンが用意されており、現場の作業者が手袋をしたままでも操作しやすい画面構成にしている。

 さらに、クラウドサービスとスマートフォンを活用したシンプルな設備構成のため、導入事業側は、初期投資費用の抑制と場所の制約を受けずに利用できるメリットを得ながら、ラックに積載した荷物の出荷前確認を効率化できるとしている。

「CountShot」での出荷カウント
「CountShot」での出荷カウント

 同社 移動体ソリューショングループ エキスパートの木本一機氏は、「(今回は)R-Teamsを利用する鉄鋼業界の顧客から要望で開発した。鉄筋の発注は、100本や300本といったバルク調達だけでなく、必要な本数に合せてピッキングする取り引きが常態化しており、その度に確認作業に労力が取られる一方、本数が不足しているといったクレームが入った際も、人手の作業のため数量確認のエビデンスがなく、クレーム対応の際の課題になっていた」と背景を説明した。CountShotは、スマートフォンを使ってAIによる画像解析が可能であり、導入コストの抑制と利便性を両立。また、このデータを出荷証明書として利用できるため、クレーム対応の時間削減にもつながるという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]