Denodo Technologiesは7月2日、データ統合・管理ソリューションの最新版「Denodo Platform 9.0」の国内提供を開始したことを発表した。自然言語からクエリーを生成する人工知能(AI)機能やエンタープライズ向けに検索拡張生成 (RAG) を強化する機能などが搭載されている。
Angel Vina氏
同社の創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるAngel Vina氏は、「Denodoは1999年の創業以来、長期にわたりデータの統合、管理、配信に注力してきた」と語り、現在は20カ国・25カ所に拠点を構え、従業員は800人を超える。顧客数は1000社を超え、250を超えるパートナーらと幅広いテクノロジーエコシステムを構築している。
同氏はまた、昨今のデータ量の増大やデータインフラの複雑化、データ利用者の多様化などにより、同社のデータ統合・管理ソリューションは「かつてないほど重要に」なっているとした。
Denodo Platform 9.0の主な機能は次の通り。
- 自然言語クエリーのサポート:「ChatGPT」「Amazon Bedrock」などの生成AIプラットフォームとのシームレスな統合により、自然言語を用いたクエリーの作成に対応する
- 新しいデータ準備ウィザード:ユーザーが個々のニーズに合わせてデータセットをシームレスにカスタマイズ可能になった
- インテリジェントなクエリーの推奨:AIを活用してユーザーアクティビティーに応答し、自動的に調整された変換とデータセットフィルターによってデータクエリープロセスを合理化する
- AI対応データのサポート:RAGを通じて企業固有のデータを生成AIプロジェクトに組み込めるようになった
- 開発者エクスペリエンス機能の向上:効率的なコラボレーションのために強化されたDevOpsサポート、タスク管理の効率化のための統合スケジューラージョブ、迅速なオンボーディングのための新しいウェルカムポータル、アクセスと操作を容易にするための再設計されたデータソースパネルが導入された
- 超並列処理(MPP)ベースのデータレイクエンジンの強化:MPPベースのデータレイクエンジンは、構成の簡素化、DeltaテーブルやIcebergテーブルとの統合の容易化、分析機能の強化により、データレイクのアクセス性と実用性を向上する
- 高度なフェデレーテッドガバナンス:さまざまなチームによるデータ製品の分散型作成と再利用を管理するための、よりきめ細かな制御を提供する
- 検査の強化:データアクセスポリシーを検査・監査するためのツールを強化。データ中心の規制の監視とコンプライアンスの向上を支援する
Alberto Pan氏
エグゼクティブ・バイスプレジデントで最高技術責任者(CTO)のAlberto Pan氏は、Denodo Platform 9.0について「データ管理に前例のないレベルのインテリジェンスをもたらし、ビジネスユーザーと技術者の両方に新たな機会をもたらす。RAGのサポートを含む新しいAIとデータ準備機能は、高度で信頼性の高いデータ分析をより広範なユーザーグループに提供し、MPPとDevOps機能の向上により、データアクセスが高速化され、より幅広いユースケースにおいて、より迅速かつシームレスなデータ分析エクスペリエンスを実現する」とコメントする。