Linuxノウハウ

「Linux」でAI搭載ターミナルアプリ「AI Shell」を使うには

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2024-08-15 07:45

 筆者は何十年も前から「Linux」を使っている。GUIが全面的に改善され、コマンドを全く実行しなくても済むようになったにもかかわらず、タスクを迅速に処理したいときは、今でもターミナルとコマンドラインインターフェース(CLI)に頼ることが多い。

 ただし、誰もがコマンドラインに精通しているわけではない。威圧感を覚える人もいるだろう。

 だが、そうした状況を甘んじて受け入れる必要はない。AIのおかげで、実践しながら学習することを可能にするアプリケーションが新たに登場しているからだ。「AI Shell」もそうしたアプリの1つだ。このアプリケーションについて詳しく説明する前に、1つ注意事項がある。AI ShellはOpenAIに依存するため、無料ではない。このアプリを使用するには、十分なクレジットがあるOpenAIアカウントが必要だ。

 有料サービスを使いたくない人は、いつでも「Warp」などのアプリを利用することが可能だ。しかし、すでにOpenAIアカウントを持っている人にとって、AI Shellは素晴らしい選択肢である。ユーザーが使用したい任意のターミナルアプリで機能するからだ(つまり、特定のターミナルに限定されない)。

 そのため、Linuxコマンドの使い方を教えてくれるターミナルアプリという概念が気に入った人には、AI Shellが最適な選択肢かもしれない。

 もう1つだけ注意点がある。新しいユーザーにとって、AI Shellはインストールが少し難しい。だが、以下でその手順を解説するので、安心してほしい。

AI Shellをインストールする方法

 必要なもの:必要なのは、Linuxの実行中のインスタンスとsudo権限を持つユーザー、OpenAI APIキーだけだ。本記事では、「Linux Mint」を使って説明を進める。別のディストリビューションを使用している場合は、インストール手順が異なる可能性がある。

1. 「Node.js」をインストールする

 最初に、Node.jsをインストールする。AI Shellをインストールするのに「npm」パッケージマネージャーが必要なので、この手順は必須だ。Node.jsをインストールするには、ターミナルウィンドウを開いて、以下のコマンドを実行する:

sudo apt-get install nodejs -y

2. npmをインストールする

 次に、以下のコマンドでnpmをインストールする。

sudo apt-get install npm -y

3. AI Shellをインストールする

 依存関係が解決したので、以下のコマンドを実行して、AI Shellをインストールする。

sudo npm install -g @builder.io/ai-shell

4. OpenAI APIキーを作成する

 OpenAI APIキーを新たに作成するには、ウェブブラウザーでOpenAI APIキーのページを開いて、「Create new secret key」(新しい秘密鍵を作成)をクリックする。表示されたポップアップウィンドウで、新しい鍵に名前を付けて、「Create secret key」(秘密鍵を作成)をクリックする。その鍵をクリップボードにコピーする(または、パスワードマネージャーのOpenAIの項目のメモに保存する)。

5. OpenAI APIキーを設定する

 これで、以下のコマンドを実行して、AI ShellのAIキーを設定できるようになった。

ai config set OPENAI_KEY=key

 keyの部分には、自分のOpenAI APIキーを入力する。

 これで、AI Shellの使用準備が整った。

AI Shellの使い方

 ここからは簡単だ。以下のようなプロンプトを入力するだけでいい。

ai list system log files

 AI Shellは、上記のタスクを実行するのに使用できるコマンドだけでなく、そのコマンドの使い方も教えてくれる。

 さらに、aiコマンドを入力するだけで、AI Shellプロンプトが開く。

 とても簡単だ。

 AI Shellのおかげで、LinuxのCLIを学習しているときに、何をすればいいのか分からなくなることは回避できるはずだ。ただし、有効な(有料の)OpenAIアカウントが必要であることに注意してほしい。OpenAIアカウントがない場合、AI Shellはinsufficient_quotaのようなエラーメッセージを表示する。その場合は、自分のアカウントを確認して、料金の決済が完了しているか確認する必要がある。

提供:Jack Wallen/ZDNET
提供:Jack Wallen/ZDNET

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  5. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]