東京通信大学とNTT東日本は9月4日、生成AIの活用とデジタル人材育成を目的とした連携協定を締結し、NTTが開発した大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を教育現場に初めて導入すると発表した。
この協定では、東京通信大学がtsuzumiの教育分野での活用・研究と産学連携PBL(Problem Based Learning)の授業を担当する。またNTT東日本は、tsuzumiの構築・運用と産学連携PBLへの参加・フィードバックを担当する。
tsuzumiは、NTTが開発した軽量なLLMで、大規模なハードウェア環境を必要とせず、プライベートクラウド、パブリッククラウド、オンプレミス環境でも利用できる。組織内のデータを外部に出さずに学習できるため、高いセキュリティ性を確保できるという。
東京通信大学は、tsuzumiを学習環境に導入することで、学生からの質問に24時間リアルタイムで回答できる体制を構築。これにより、学生の授業内容の理解を深め、学習効率向上を支援する。
オンライン完結型の通信制大学である同大学は、場所や時間の制約を受けずに学生一人一人に合わせた学びを提供している。生成AIの積極的な活用を推進しており、2024年度からはオンラインでの少人数制ゼミ「つながるTOUゼミ」を開始し、アクティブラーニングにも力を入れている。
しかし、オンデマンド授業ではリアルタイムな質問対応が難しく、学生の学習意欲維持やドロップアウト防止が課題となっていた。tsuzumiの導入により、この課題を克服し、質の高いオンライン教育環境の実現を目指すという。