NECは、総務省の「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に採択され、AIを活用したファクトチェック支援技術の開発を開始した。この技術は、インターネット上の情報の真偽を多面的に分析し、ファクトチェック業務の効率化を支援することを目的としている。
開発する技術は、テキスト、画像、動画、音声など、複数種類のデータで構成されるコンテンツの真偽をAIで分析する。
画像などが生成・加工されていないかを検知し、複数種類のデータをAIで認識してテキスト化。このテキストの内容が正しいか、出典があるか、データ間の矛盾がないかなどを、偽情報分析に特化した大規模言語モデル(LLM)で評価し、総合的に真偽を判定する。さらに、ファクトチェック機関の専門家が作成する報告書や記事に近い形式でレポートを作成し、分析者の指示に応じた調整を可能にするという。
開発技術のフレームワーク
昨今、生成AIや編集ツールによって偽情報や誤情報が簡単に作成・拡散されるようになり、社会問題となっている。ファクトチェック機関やマスメディアは、情報の真偽判定やレポート作成に多大な工数を費やしており、業務負担の軽減が求められているという。
今後、開発した技術は、日本ファクトチェックセンターなどのファクトチェック機関や放送局をはじめとするマスメディアで実用性を検証、精度向上などを図り、実用化を目指す。また、防災をはじめさまざまな業界での応用も検討していく予定だ。