NECと自律調整SCMコンソーシアムは、NECグループ会社の部品購買業務において、AIを活用して納期調整を自動化する検証を行った。NECが11月12日に発表した。
この検証により、「自動交渉AI」を使って在庫不足の確認、納期計算、サプライヤーとのやりとりを自動化できることが確認された。また、納期調整業務を数分単位に短縮し、適用範囲を広げても業務効率を大幅に向上させることができた。
サプライヤーからの納期回答が遅れた場合や、生産計画の変更による納期前倒しの依頼があった場合、自動交渉AIがチャットボットを介してサプライヤー担当者と納期調整を行い、実システムと連携して変更された納期で処理できることが確認された。
AIによる納期調整
検証結果・期待効果
この検証は9~10月に実施され、NECグループ会社の日本全国の拠点に適用された。参加サプライヤーは10社以上、自動交渉対象品目数は約1300品目に上った。サプライヤーからの納期回答遅延時や生産計画変更による納期前倒し依頼時に、自動交渉AIがチャットボットを介してサプライヤー担当者と納期調整を行った。
簡易検証の仕組み
今後期待される効果として、購買担当者の業務効率化、部品在庫の適正化、需要変動への対応力向上などが挙げられる。
NECによると、企業間取引では納期、数量、価格などの調整が日々大量に発生しており、特に電子部品の購買では部品の種類やメーカーが多く、製品ライフサイクルも短いため、調整業務が煩雑化している。また、世界情勢の変化によるサプライチェーンの不安定化も調整業務の増加に拍車をかけている。
NECは2025年1月以降、顧客が簡易検証を実施できる環境を提供する予定であり、納期調整以外のケースへの適用も検討している。