日本IBMは11月29日、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)製品「IBM Db2」の機能拡張に関する記者会見を開催した。最新版の「IBM Db2 12.1」では、AIを活用することで200以上の機能強化が図られている。併せて、AIを活用してデータベース管理者を支援する「IBM Database Assistant」も紹介された。
IBM Db2 12.1は11月14日に一般提供を開始した。およそ5年ぶりのメジャーアップデートになる。ユーザーのフィードバックや生成AIをはじめとした技術トレンドを踏まえ、オンライントランザクション処理(OLTP)やデータウェアハウス(DWH)の両方のワークロードで、ミッションクリティカルなシステムを支えるデータベースとして進化していると強調する。
AIを活用したクエリー最適化(AI-powered query optimizer)により、従来の3倍の処理高速化を実現した。ほかにも、AIによるコード生成で開発生産性を向上させ、200以上の機能強化を実現しているという。
社内テストの結果(提供:日本IBM)
機能強化の一部抜粋
Database Assistantは、AIを活用してデータベース管理者を支援するアシスタント機能になる。Db2に関する質問をAIが迅速に回答したり、Db2の運用監視項目を容易に取得・確認したりすることができる。また、トラブルシューティングの簡素化や、性能問題の根本原因やボトルネックの特定を迅速化するのにも役立つとしている。
まずは北米地域で提供しているマネージドサービス版のDb2から機能提供を始め、ソフトウェア版のDb2には2025年後半から提供を開始する予定。
また、Db2の採用を後押しする施策の一つとして、「IBM Db2 Starter Edition」という新しいライセンス体系を追加した。これにより、低コストでのDb2の利用が可能になるとしている。