Googleは米国時間1月15日、「Google AI」の機能を「Google Workspace」のBusiness/Enterpriseプランに組み込むことを決定した。これにより顧客企業は、追加購入することなく、最先端の生成AI機能を利用できるとしている。
AIを導入した企業は競争力を大幅に強化している一方、多くの企業は始め方に悩んだり、新しいテクノロジーを導入する費用の捻出に苦労したりしているとGoogleは説明する。
こうしたニーズに対応するため、同社はGoogle AIの優れた機能をGoogle WorkspaceのBusiness/Enterpriseプランに含めることにした。これにより、あらゆる企業が未来のイノベーションに必要なツールを利用できるようになるという。
Googleは、以下のAI機能を同日からGoogle Workspace Businessの顧客に提供しており、1月中にGoogle Workspace Enterpriseの顧客向けに提供開始する。
- 「Gmail」「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」「Google Meet」「Google Chat」「Google Vids」などでのAIアシスタンス:日常的に使用するツールにAIが組み込まれ、ユーザーはより短時間で優れた成果を上げられる。「Gemini」を用いてメール、チャット、ファイルの要約、下書き、情報検索を行うことが可能となり、コミュニケーションを効率化できる。Geminiをアイデアの相談相手やインスピレーション源として使用し、プロフェッショナルな文書、スライド、スプレッドシート、動画を一から作成することも可能。さらに、会議メモの作成、音声や動画の質の向上、遅れて参加した場合の情報提供により、会議での体験をより良くすることができる。
- Google AIやGemini Advancedとのやりとり:ノートパソコンやモバイルデバイス上のGeminiアプリを用いて、学習やブレインストーミング、計画を気軽に始められる。「Gemini Advanced」は、コーディング、調査、データ分析などの複雑なプロジェクトに活用でき、「Gem」の作成が可能。Gemは、反復可能、あるいは特殊なタスクに利用できる、いわばAIエキスパートの集合体として機能する。
- 「NotebookLM Plus」の強力な機能:AI調査アシスタントを提供し、複雑なトピックの理解を手助けする。各種ソースをアップロードして分析情報や音声要約機能「Audio Overview」を瞬時に入手し、カスタマイズしたノートをチームで共有して理解やオンボーディングを促進する。
AI込みのシンプルな料金設定
Googleはシンプルなプランと料金設定を通して、Google AIの付加価値をGoogle Workspaceを利用する全ての顧客に提供する。例えば、「Google Workspace Business Standard」プランで「Gemini Business」を利用する場合、以前ならユーザー1人当たりの料金は月額32ドルだったが、現在は同じ内容で月額14ドルとなり、Geminiを含まないGoogle Workspaceの料金との差額は2ドルになった。
改定後の料金設定と各エディションで利用可能な機能については、ヘルプセンターから確認可能。この料金設定は、新規顧客には1月16日から適用されている。既存顧客の場合、2025年3月17日、または年間/定期プラン更新日のどちらか遅い方の日に、サブスクリプションの月額料金が更新される。非常に小規模な企業の顧客は、現時点では料金改定の対象外となっている。
Googleは今後1年間、AIの新機能を引き続きGoogle Workspaceのプランに取り入れ、顧客へのメリット提供を予定している。