Dataiku Japanは2月19日、2025年の生成AIトレンドレポートを発表した。生成AIがコモディティー化(一般化)する中、AIエージェントが企業の競争優位性を左右する重要な要素になると強調している。
レポートによると、AIエージェントは単なるデータ分析ツールではなく、タスクを自律的に実行し、意思決定を迅速化することで、企業のビジネス価値を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。Gartnerの予測では「2028年までに日々の意思決定の少なくとも15%がAIエージェントを通じて自律的に行われるようになる」という。
Dataiku 最高経営責任者(CEO)のFlorian Douetteau氏は「AIエージェントは既にビジネスのルールを再定義しており、企業は競争優位性を確立するために積極的な行動を取る必要がある」と述べる。
調査はデータ、アナリティクス、IT部門の幹部400人と経営幹部200人が対象となった。それによると、回答者の66%は過去12カ月間に生成AIに100万ドル以上を投資しており、組織の88%が2025年に投資を増やす予定であることが分かった。一方で、生成AIの投資対効果(ROI)の定量化について経営幹部からのプレッシャーが高まっていると85%が報告した。
また、73%の企業が複数の大規模言語モデル(LLM)を管理するハイブリッドアプローチを採用しているという。経営幹部の75%は生成AIの採用拡大によるデータプライバシーの侵害を懸念しているが、81%は生成AIの使用に中程度または高いレベルの信頼を寄せているとした。
Dataikuは、2025年に生成AIを推進するトレンドとして次の5つを挙げた。
- 生成AIのコモディティー化:AIエージェントが主流化する中、企業は「コモディティー化のわな」を回避するために、差別化され、ROIを重視したAIを構築する必要がある
- ROIの定量化への圧力:ビジネスリーダーは、生成AI投資から測定可能な価値を示すことを求められるプレッシャーに直面する
- LLMメス(散らかった状態):AIエージェントをサポートするために複数のLLMを使用することが必須となる一方で、AIワークロードを統合、合理化する環境が整備されなければ、運用上の混乱が生じる
- ガバナンスを優先項目に:ガバナンスフレームワークが弱い場合、企業はプライバシー侵害、バイアス、コンプライアンスの失敗に対するリスクにさらされる
- 従業員のスキル向上:従業員がAIに置き換えられることにならないようAIリテラシーを身に着け、AI駆動型の経済における需要と機会に備える必要がある