筆者はずっと前から、「Zorin OS」とその開発チームに対して深い敬意を抱いている。このディストリビューションは、見た目が美しいだけでなく、柔軟性にも優れており、さらに多くのオプションを備えた「Pro」バージョンも提供されている。
「Zorin OS 17.3」がリリースされる前でさえ、筆者は「Windows」からの乗り換えを検討しているユーザーが検討すべき選択肢のトップ5にZorin OSを入れていた。今回、17.3のリリースを受けて、Zorin OSを1位に格上げした。
それはなぜか。理由は4つある。
1. 全体的な親しみやすさ
まず、Zorin OSチームはユーザーインターフェース(UI)を変更しなかった。しかし、「Zorin Appearances」アプリを使えば、上品なデスクトップ環境を簡単に設定し直すことができる。Windowsに似たUIから、より伝統的な「Linux」デスクトップへの切り替えも可能だ。また、Proバージョン(47.99ドル)にアップグレードすると、6つの追加レイアウト(そのうちの1つは非常にクールな「macOS」風デスクトップ)やその他のさまざまな機能にアクセスできる。
さまざまなことを全く(またはほとんど)変更してこなかったのは、Zorin OSにとって良い判断だった。ほとんどのユーザーは変化を好まないからだ。「GNOME」と「KDE Plasma」の歴史を見ても分かるように、大きな変化は大きな混乱を引き起こすことがある。
ただし、Zorin OSの長所は親しみやすさだけではない。
2. より豊富な代替アプリ
Zorin OSが実施したことの1つは、より多くのWindowsアプリの代替を調べて提示することだ。具体的には、(「Wine」によるWindows実行ファイルのサイドロードの代替案として)150種類を超えるアプリを提案している。例えば、Windows版Obsidianアプリの実行ファイルをダウンロードして、Zorin OSで実行しようとすると、「Install Windows App Support(Wine)」と「Install Obsidian」の2つの選択肢が表示される。「Install Obsidian」をクリックすると、アプリストアに直接移動する。そこで、「Install」をクリックすると、「Flathub」からLinux版Obsidianアプリを追加できる。

提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
「Notepad++」(Windows専用アプリ)で同じことを試すと、Zorin OSは「Notepad Next」をインストールするよう提案する。

提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
この機能だけを見ても、Zorin OSは首位にふさわしいディストリビューションだ。それはなぜか。Linux初心者は、実行ファイルをダウンロードしてダブルクリックし、Windowsアプリのインストーラーの指示に従って進むだけでいいと誤解している可能性があるからだ。WindowsアプリをLinuxで使用するには、追加のアプリサポート(つまり、先述したWine)が必要であり、Zorin OSはWineをインストールすることさえ提案する(ユーザーが実際のWindowsアプリを使い続けたい場合)。
これは重要な機能だ。Zorin OSは150種類以上のアプリをキュレートしているため、新しいユーザーは使い慣れたツールや適切な類似ツールを引き続き使用できる。