第一三共、SASEで常時5000ユーザー以上が利用する業務環境のセキュリティを確保

ZDNET Japan Staff

2025-04-16 13:13

 製薬会社の第一三共は、パロアルトネットワークスのセキュアアクセスサービスエッジ(SASE)型のセキュリティサービス「Prisma Access」を導入し、常時5000ユーザー以上が利用する業務環境のセキュリティを確保した。パロアルトネットワークスが4月15日に事例として公表した。

 それによると、第一三共ではコロナ禍を含む近年のクラウドサービスの浸透やリモートワークなど働き方の多様化において、拠点間を閉域網で接続し社外へのアクセス経路をデータセンターのインターネット回線に集約する既存のネットワーク構成では対応できない課題を抱えていた。例えば、VPN回線の混雑などにより通信速度が低下する状況だったという。

 このため同社は、クラウドサービス利用や多様な働き方での利便性向上を目標に、ゼロトラストモデルに基づく新アーキテクチャーによる迅速なネットワークへの刷新を決定。これを実現する製品・サービスの選定条件を(1)あらゆる場所から必要なリソースに安全にアクセスできる環境を整えられること、(2)研究所や工場、物流センターなどの全国の拠点から自社データセンターの業務アプリケーションにアクセスするような拠点間通信を保護・監視・制御する包括的なSASE――とし、比較検討および概念実証を経てPrisma Accessを採用した。

 導入開始は2021年7月で、環境を順次整備して2022年7月から135拠点・160回線をPrisma Accessへ切り替えていった。現在1万2000ライセンスを契約し、常時5000~7000ユーザーが利用しているという。各ユーザーは業務端末にインストールしたVPN接続ソフト「GlobalProtect」からPrisma Accessへ接続し、さらに業務アプリやデータにアクセスしている。

 これによって同社は、全ユーザーにおいて同等のセキュリティレベルを担保でき、Prisma Accessの自動的なリソース拡張と負荷分散の制御で通信速度低下の課題も解消したとのこと。社外への接続がPrisma Accessになったことで、自社でVPN装置を購入するコストも不要になった。

 同社での利用は国内主体といい、今後はアジア地域から海外展開を早期に進めていく意向だという。同社 グローバルDX デジタル&テクノロジー部 インフラテクノロジーグループの担当者は、「稼働以来、大きな障害を起こすこともなく安定しており、非常に信頼している。パロアルトネットワークスには、ぜひともこの安定性を継続してほしい」とのコメントを寄せた。

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