屋内位置情報サービス「Beacapp Here」を提供するビーキャップは、東京慈恵会医科大学附属柏病院(慈恵医大柏病院)で実施された運搬ロボット導入に関する実証実験において、導入効果の可視化に協力した。この実証実験では、看護補助スタッフの運搬に関わる移動時間が約50%削減されるなど、定量的な効果が確認された。ビーキャップが4月25日に発表した。
Beacapp Hereは、リアルタイム位置情報サービスとして、主にオフィスや工場、倉庫、建設現場などの屋内で、人やモノが「いまどこにいるか」「過去にどこにいたか」を把握するために利用される。Bluetooth Low Energy (BLE) を利用したビーコンや、スマートフォンアプリ、専用のタグなどを組み合わせて位置情報を検知する。
慈恵医大柏病院はスタッフの負担軽減を目的に、検体や薬剤の運搬業務を自動化するロボットの導入を検討していた。今回の実証実験では、ビーキャップがBeacapp Hereを用いてロボット導入前後の看護補助スタッフの動線をデータ化し、その効果を定量的に測定した。
実証実験は2024年10月16日から約2週間、同病院の2階で実施された。DFA Roboticsが提供する運搬ロボット「KEENON W3」が導入され、検体や薬剤の運搬業務の一部を代替した。Beacapp Hereによる測定・分析の結果、看護補助スタッフ1人あたりの1日の平均運搬回数は9.5回から4.8回へ、同じく平均運搬時間は9分39秒から4分57秒へと、それぞれ約50%削減されたことが明らかになった。
同病院では、運搬業務の負担が大幅に軽減されたことで、看護補助スタッフは患者への対応など、より付加価値の高い本来業務に集中できるとしている。