丸紅I-DIGIOホールディングスは5月8日、グループ共通のデータ基盤として、ドリーム・アーツが提供する大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」を導入し、利用を開始した。これにより、グループ各社に点在していた11のワークフローシステムが統合される。
SmartDBはワークフローとウェブデータベースを中心とした機能を持ち、外部システムとの連携や高度なセキュリティ要件にも対応している。サービス基盤には「Microsoft Azure」を採用する。
同社は、2023年4月に丸紅グループの情報通信子会社4社の持ち株会社として設立され、5社で構成されている。製造、流通・産業、デジタル、IT基盤サービスの4事業セグメントに注力し、商社の強みを生かした成長戦略を推進している。
グループ内のコーポレート業務効率化と安定運用のため、各社のコーポレート部門を集約した「コーポレートセグメント」を設置。意思決定の根幹となる稟議(りんぎ)業務の改善に向け、これまで各社で利用していた11の稟議ワークフローシステムを統合する新たな業務基盤としてSmartDBが採用された。2024年10月より丸紅I-DIGIOホールディングスでSmartDBによる稟議業務アプリの利用を開始し、2025年4月からはグループ約1400名での運用が始まっている。
SmartDBが選ばれた理由として、ワークフローとデータベースの両機能を備えている点、そしてユーザー情報の追加・更新を含む管理の容易さが挙げられた。旧システムではデータベース機能が十分でなかったためデータの利活用が難しく、承認後の内容を台帳へ転記する手間が発生していた。また、組織変更時のユーザー情報のメンテナンスに関する柔軟性も求められていた。これらの要件に加え、購買管理システムや電子契約サービスなど他システムとの連携実績が豊富であることも導入の決め手となった。
導入により期待される効果は、各社の情報システム部門が個別にしていた管理・メンテナンス工数の削減、システム統合による運用費の半減、メールをさかのぼるなどの手作業による監査対応の効率化などがある。
今後は、稟議業務だけでなく、案件管理、契約締結、請求書管理などの業務にも活用範囲を拡大していくという。さらに、SmartDBのセキュリティオプション「マルチGATEセキュリティ」の活用により、システム基盤を強化し、社外ユーザーへの利用拡大も視野に入れる。