セカンドライフ、グーグル、セールスフォース--ウェブプラットフォーム企業にみる勝者の法則

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-07-13 17:09

共通点は?

 Facebook、Second Life、Google、Salesforce.comはみな、アプリケーションから出発してウェブプラットフォームを構築した企業で、開発者に互換性のあるプログラムを開発させ、企業にはプラットフォームのエコシステムからビジネスを構築させた。企業の幹部たちは米国時間7月12日、Fortune誌の新企画「iMeme: Thinkers of Tech」カンファレンスのパネルディスカッションで、これは将来の波だと語った。このイベントはあか抜けした雰囲気を強調するためか、サンフランシスコのRitz-Carltonホテルの部屋に並んだHerman Miller製Aeronチェアの操作法解説から始まった。

 顧客関係管理(CRM)を専門とするSalesforce.comの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は「インターネットは新しいOSだ。インターネット上のキラーアプリが、革新を生むコミュニティを形成するプラットフォームになりつつある。業界にとって、まったく新しい章だ」と述べた。

 同氏は「コアサービスの価値を高めるのが、プラットフォームの力だ」と述べた。外部の開発者に開放することで、プラットフォームを新しい市場へと拡張してゆくことができるという。たとえば、Salesforce.comでThomson FinancialとDow Jonesが行ったアプリケーション開発のおかげで、Salesforceは「金融サービス市場の主要なプレーヤー」になったという。

 Benioff氏は「われわれは(ビジネスソフトウェアプロバイダの)Siebel(Systems)に取って代わることができた。 彼らはキラーアプリケーションを提供したと、プラットフォームの提供へと踏み切らなかった。そのようなチャレンジなしで、SAPやOracleのような主要プレーヤーにはなれない」と述べた。

Facebookにアプリが押し寄せたとき

 インターネット経由でビジネス向けのSaaS (software as a service)をホスティングする会社を率い、ドットコムビジネスの第一人者ともいえるBenioff氏。そんなBenioff氏の隣には、ほんの4年ほど前に大学の寮で人気ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)Facebookを開設した、23歳のMark Zuckerberg氏が座っている。Facebookは外部の開発者にサイトを開放し、大学生以外にもサイトの利用を許可した結果、メンバー登録の急増につながった。

 Zuckerberg氏は、オンラインの友人や知人「を介するのが、コミュニケーションを取る上でもっとも自然で効果的な方法だ。プラットフォームの開放はこの考えを推し進めるためのステップに過ぎなかった」と述べた。

 同氏は「社内で使用しているのと同じツールを提供し、外部開発者が作ったアプリを社内開発したアプリと同様に扱う」と付け加えた。

 成果はすぐに現れた。Facebookがプラットフォームを開放した2007年5月後半以来、何千ものアプリケーションがリリースされている。Zuckerberg氏は「たしかに、当初の期待よりもやや速い成長だった。準備期間があるものだと考えていた。全体のプロセスが約1週間に集約された」と述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  5. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]